戦後75年……そんな四季報夏号全部読む!前回記事では、3962 チェンジについてチェックしてみました。業績の伸びは著しく、株価の伸びを伴っています。チャートもキレイで投資対象として当面はいいと思います。
さて、今回注目する企業は3994 マネーフォワードです。個人向け家計簿ソフトから、企業向けの会計ソフトまで、日本の「お金」を前に進める企業です。
(前回記事:第20回 チェンジはDX需要の高まりでデラックスな決算!)
前号(2020年第2集 春号)まとめはこちら!
四季報2020 春号全部読む!第1回~第10回まとめ
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3994 マネーフォワードの概要
マネーフォワードは2012年に、元ソニー、マネックス証券社員の辻庸介氏(現・社長)によって東京都で創業されました。
事業の中心は創業当初から個人向け家計簿ソフト「マネーフォワード」と、2013年からスタートした法人向けサービスです。上場以来赤字を続けている異例の企業として知られ、2017年には東証マザーズに上場しています。
マネーフォワードの競合企業は先日紹介したラクスやフリーです。ただ、マネーフォワードは個人向けに強いので、法人中心の2社とは若干様相が異なるかと思います。
マネーフォワードの業績は?
それでは、マネーフォワードのここ数年の業績と、今期の予想を見てみましょう。
7月15日発表の’20年11月期第2四半期決算はこちら、説明資料はこちら。
売上高が毎年50%以上という驚異的なスピードで伸びている一方で、販売管理費(広告費、販促費や人件費)などがかさんで赤字も拡大していっています。
ただ、マネーフォワードは法人、個人からのサブスクリプション契約が主な収益源なので、どんどん販管費を投下してでも契約を増やせれば、最終的には固定収入が増え、利益が出せるようになっていきます。
日本ではここまで毎年赤字決算を出し続ける企業はバイオ系や倒産寸前の企業を除けば珍しいですが、アメリカではこうしたわざと赤字を出す企業は結構あるようです。
この記事では、海外の投資家がこうしたサブスク赤字企業の業績をチェックする際の指標「40%ルール」について言及しています。
要するに売上高成長率+営業利益率の合計が40%を超えていれば、仮に赤字でもOK!ということです。(例:売上高成長率100%、営業利益率-60%→100-60=40⇒OK)
マネーフォワードの場合は、前期⇒今期の予想売上高成長率は57%、そして営業利益率が-26%ですから、差し引き31%。ちょっと赤字がでかすぎましたかね。
マネーフォワードの株価は?
株価はコロナショックの底値以来2倍にまで上昇し、上場来最高値を更新しています。
赤字企業なので当然PERはなし。なので割高か割安かと言われると……?
総評:競合が多く、いつ赤字脱出かがわからない⇒NG
マネーフォワードのような企業は、今の段階ではドンドン赤字出してでも拡大路線を突っ走るのがいいのは分かります。しかし、あまりにも赤字が続いているうえに、赤字幅は縮小するどころか拡大する一方です。
やはり企業としてはちゃんと利益を出せるのだというところを見せてもらいたいです。競合も多く、マネーフォワードが天下を取るという確証もありませんし。
さて、次回は4435 カオナビです。顔認証による人事管理サービスを提供する企業です。
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