四季報2019春号全部読む! 第24回 富士通凋落は投資家に対する不実

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令和初の取引が始まりましたね。そんな四季報2019春号全部読む!前回は1117~1166P(6419 マースグループHLDGS ~ 6572 RPAホールディングス)を見ていきました。(前回記事:第23回 東芝メモリ事業売却金の投資場はどこ?

今回は1167~1216P(6573 アジャイルメディアネットワーク ~ 6757 OSGコーポレーション)を見ていきます。少し新興企業を見た後はほとんど電気機器といったモノづくり業界が続きます。

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6573 アジャイルメディアネットワーク ~ 6757 OSGコーポレーション(1167~1216P)

6579 ログリー →前号並み 急成長株【サービス】

ネイティブ広告(メディアに溶け込むような内容の広告のこと)プラットフォーム。記事内容を解析して、自動で広告配信を行ってくれる。昨年6月に上場したばかりのまだ若い企業。3/22に定款変更。投資事業や労働者派遣業などに乗り出す見通し。株価は年明け以降下落続きで非常に不調。

6594 日本電産 ↓前号比減額 優良株【電気機器】

HDD用精密小型モーターで世界トップ。このほか中・大型のモーターも手掛ける。中国向けの出荷が急減したものの、為替の関係もあり増益。またM&Aも盛んで、台湾の部品企業を買収。株価は好調4/23の決算前期比22%増益5円増配も発表と好結果となった。

6630 ヤーマン →前号並み 急成長株【電気機器】

美顔器や痩身器具など家庭用美容機器メーカー。ここは2016年以降ものすごい勢いで業績が拡大し、株価もそれにつれて伸びていった。このところは業績、株価ともやや停滞気味。昨年からロシアで販売を開始し、海外進出へ。

6701 NEC ↓前号比減額 市況関連株【電気機器】

日本IT業界の巨人その①。通信インフラでは国内首位。コスト削減効果が表れて営業利益大幅増となった。また、海外IT大手を1360億円の巨額で買収。株価は非常に安定していたが、4月以降下落していた。4/26発表の通期決算やや減益となったものの、事前の業績予想よりは良かったことから、連休明け今日7日は大きく上昇した。

 

NECの平成30年間を振り返る

NECの平成は、前半と後半でくっきり明暗が分かれた波乱の30年となりました。平成元(1989)年を19,800円でスタートしたNEC株は、バブル崩壊で一気に1/3まで下落しましたが、その後のITバブルで一気に34,500円平成最高値を付けます。しかし平成後半はリーマンショック前の株高にも乗れず、平成24(2012)年には最高値から実に35分の1となる平成最安値960円まで下落。その後のアベノミクス相場での回復も限定的となり、平成年間で株価が1/5になってしまいました。

 

6702 富士通 →前号並み 市況関連株【電気機器】

日本IT業界の巨人その②。ITサービス、サーバで首位。4兆円近い売り上げ高は立派だが、営業利益率4%あまりに低すぎるのでは。現状間接部門の年配社員を削減して対応しているが、弥縫策にすぎない。抜本的な対応が必要では。4/26の決算が市場予想に比べて悪かったことから、令和時代の取引を大きく下げてスタートした。

 

富士通の平成30年間を振り返る

富士通の平成時代も、NEC同様に平成の前後半で大きく明暗が分かれます。平成最高値は平成12(2000)年、ITバブル期につけた50,300円でしたが、そこからわずか3年後の平成15(2003)年には3,000円16分の1以下になりました。その後は平成18(2006)年に10,730円まで回復するものの、リーマンショックや大震災を経た平成24(2012)年に平成最安値2,690円。その後のアベノミクス相場で現在は8,000円前後での値動きとなっているが、最高値には遠く及ばない水準にとどまっている。

6750 エレコム →前号並み 市況関連株【電気機器】

IT機器大手。業績は相変わらず好調で、連続増益の見通し。明日8日に決算発表。今後の方針としては、個人に見切りをつけ、法人向けを拡大予定。株価は非常に好調で、年初来大きく上げている。

6752 パナソニック ↓前号比減額 市況関連株【電気機器】

言わずと知れた総合家電の大手。AV機器や白物家電、電池や照明など事業は多岐にわたる。2019.3月期は家電が苦戦しており、減益。また、車載向け製品コストが想定外に重くなっている。今後は、一部の車載電池事業をトヨタとの合弁企業に移管させ、本体からは切り離す予定。株価は下げ基調が続く。

パナソニックの平成30年間を振り返る

パナソニックの平成30年間は、今回紹介したNECや富士通ほどではないにせよ、冴えないものでした。2000円を超える水準で平成をスタートした同社は、平成12(2000)年のITバブル期に平成最高値3,320円を付けました。その後の株安で1/3以下まで値を下げますが、リーマンショック前の平成18(2006)年には3,000円に迫る水準まで回復。しかし、リーマンショックと大震災のダブルパンチは大きく、2012年に平成最安値となる376円まで下落。その後は持ち直しましたが、2018年秋以降は下げ、1,021円平成終値となってしまいました。

6754 アンリツ ↑↑大幅増額 市況関連株【電気機器】

通信系計測器の企業。売上高の2/3が海外向けと海外に強い。いよいよ今年から本格始動する5G銘柄の代表格とされているが・・・4/25に発表された19.3月期決算と同時に発表された2020年3月期決算の予想が期待外れであったことから平成最後に値下がりとなってしまった。まさにこんなはずでは・・・といったところ。

まとめ

今回は1167~1216P(6573 アジャイルメディアネットワーク ~ 6757 OSGコーポレーション)を見ていきました。大企業が多かったので、業績はともかく「平成30年間を振り返る」ネタに使わせてもらいました。かつて技術立国と呼ばれた日本を代表する企業の凋落ぶりは、見るに忍びないものがあります。

次回は1217~1266P(6758 ソニー ~ 6925 ウシオ電機)です。また平成を振り返りたくなる企業が出てきましたね・・・。ソニーの30年間はいったいどうだったのでしょうか。

 

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~今号ここまでのまとめ~

第23回 東芝メモリ事業売却金の投資場はどこ?
第22回 コマツ減益予想でコマツちゃうな~(Ⓒ山本リンダ)
第21回 鎌倉新書の業績予想イマイチで投資家の心証悪化・・・

四季報2019 春号全部読む!第11回~第20回まとめ
四季報2019 春号全部読む!第1回~第10回まとめ

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