シリーズ企業分析 第4回 チームスピリット(4397)

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シリーズ企業分析、前回は資産株系として安すぎる企業、ダイナパックを取り上げました。

今回はツイッターでも反応が妙に良かった、チームスピリットについて調べてみたいと思います。

そもそもチームスピリットとは?

沿革

株式会社チームスピリットは、1996年に埼玉県で創業されています。当時の社名は「デジタルコースト」でした。

その後米国のクラウドサービス大手のセールスフォースとの関係を強め、2011年には資本提携まで行っています。上場前の時点では、チームスピリット株の12%以上を保有する第3位株主でしたが、上場後に少しずつ売却を行い、現在は5%程度まで保有量を減らしています。

2012年4月、現在の社名の由来となる働き方改革プラットフォームの「チームスピリット」の提供を開始し、同年9月には社名を現在のものに変更。そして、2018年8月に東証マザーズに上場しています。

 

事業内容

チームスピリットの事業内容は「勤怠管理サービスの提供」です。

従来型の勤怠管理は、あくまでどの社員がどれだけ働いているかを適正に管理するだけのものでしたが、チームスピリットはそこに工数管理や、各社員の勤務状況の「見える化」を図りました。

公式サイトからの引用画像なので、問題があれば削除します。

誰がどんな作業にどれだけ時間をかけているか全部わかるというわけです。サボってたら即ばれますね。

これが、現在の「働き方改革」の流れにピタッとはまる形で支持を広げているということになります。「国策に売りなし」というやつですかね。

 

チームスピリットの業績・財務は?

業績

チームスピリットの業績です。18.8月期決算がつい先日(10/15)出たばかりです。

これまで赤字続きだった同社ですが、ついに黒字決算を達成!20.8月期の予想も発表され、売上は18.8月期の2倍、営業利益は約8倍!純利益では約4倍という予想です、また、営業利益率も向上し続け、20%近くまで上昇する予想。これはすごい!

 

財務

資産株ではないので、あまり財務に見るべきものはありませんが、発表されたばかりの18.8月期決算をもとに見てみましょう。

10月発表されたばかりの、18年8月期決算短信から、貸借対照表を引用しました。気に合った部分は赤く囲ってあります。

資産の部を見てみると、現預金がほぼ倍の金額に増えています。

一方負債を見てみると、負債合計約9.4億円のうち、およそ2/3を占める約6.4億円が「繰延収益」という科目になってます。

繰延収益とは・・・本来次期以降に受け取るべき収益を、先に受け取ってしまった場合、これを次期以降に繰り延べ、負債として勘定すること。

詳しい説明はこちらに譲るとして、要するに負債といっても借金ではないということです。

じゃあ本物の借金はというと、長期借入金が17.8月時点で約1.4億円だったものが、18.8月時点で1.1億円と減少しており、順調に借入金を返済できている状況です。

これによって、前期終了時点でわずか22%だった自己資本比率が、倍以上の47%にまで上昇しています。元々借金のせいではないので、来期以降もこの比率は改善していくと考えられます。

なんというか、逆数字のマジック(実態より悪く見えてしまう)ですね。

 

チームスピリットの今後は?

今期(19.8月期)の目標は?

この度発表された決算資料によりますと、今期の予想売上は前期から50%以上の成長を目標に掲げており、具体的には18.7億円が売上目標となります。(18.8月期売上12.3億円)

また、来春には大規模企業向け機能を充実したTeam Spiritの新バージョンが実戦配備され、大口顧客の取り込みへ向けて加速しています。

10月16日には、食品大手のカゴメがTeamSpirit の新バージョン導入を決定したというニュースが入ってきましたし、スマホ上で動作する入退室管理アプリの「ALLIGATE」とTeamSpiritが連携をして、クラウド上での完全な出退勤管理を実現したということで、もうタイムカードが不要になるという画期的なニュースもありました。

 

中期的には100億円へ!

また、決算資料によりますと、5年後(2023年)には売上高100億円契約ライセンス数100万を目指すとしています。現状のユーザー数が13万人ですから・・・8倍?無理じゃね?

そのための手段として、大規模企業への展開と、海外への進出を目論んでいるようです。今のところ海外展開の話は具体的には見えてきませんが、今後何かあるかもしれません。

 

チームスピリットのライバルは?

チームスピリットは勤怠管理を中心としたサービスを提供しています。こういったサービス自体は結構あって、このサイトでは、単なるタイムレコードシステムや、零細企業に特化したものも含めると40種類以上と多数紹介されています。

そう考えると、競合はめちゃくちゃ多いです。

しかし、チームスピリットの特徴としては、クラウド上で動作し、かつ単に勤怠管理だけでなく、経費精算やカレンダーも含めて一体となったパッケージで提供できるため、そこが他社との差別化につながっていると考えられます。

 

ぶっちゃけどう思う?~定性的な評価として~

手堅い、でも熱い企業

ここまで事実や数字を基にして定量的な評価をしてきました。もちろんそういったことも重要ですが、最後は「直感」が重要です。

公式サイトを一通り閲覧して、最初は「普通だな~」としか思わなかったのですが、リクルートサイトを見たときに、この社の見方が変わりました。

社員数が65人しかいないにもかかわらず、17人(+聞き手1人と社長)もの社員がインタビューに登場します。社員の1/4がリクルートサイトに顔出し実名で登場しているのです。

しかもインタビューの内容が結構突っ込んだ内容で、なぜこの企業で彼らが働いているのか?ということが比較的嘘なく語られているように感じました。また、彼らが仕事に自信と誇りを持っていないと、実名を出すことはできないでしょう。

手堅い、けど熱いものを感じるというのが、この企業の、あくまで公式サイトを見る限りの印象です。

 

SNSやネット掲示板での評価は?

チームスピリットについて、twitterで検索すると、某大物個人投資家が以前につぶやいたことをきっかけに、人気化しつつあるようです。

実際、当社がチームスピリットを気にするような書き込みをしただけで、「いいね」が数件つき、フォロワーが増えるなど、一定の支持層がいると思われます。

正直、仕手筋が妙に買い煽るような銘柄はあまりすきではない(というかそういうところに先回りするのが理想)のですが、そんな理由でせっかく見つけた急成長銘柄をみすみす逃すのも惜しい、ということで実際に購入を始めています。

 

チャートはどんな感じ?

テクニカルは不得意なので、チャートを乗せるくらいにします。上場から日が浅いので、上場来のチャートと、参考に日経平均との比較チャートも載せておきます。

まだ上場から日が浅いので何とも言えないですが、初値からストーンと落ちるようなこともほとんどなく、9月上旬を底にしてじわじわと上昇を続けています。先々週の大きな下落からも立ち直って、再び上昇軌道への復帰を始めています。

 

結論としては・・・?

既に書きましたが、当社ではチームスピリット株を保有しております。できれば、もうちょっと保有したいぐらいですが、某社の株が下げまくっていますので、なかなか動き出せません。ちょっと損切りしてこっちに持ってくるか?

とにかく、働き方改革時代の勤怠管理という、これ以上なく時代のニーズにこたえたサービスを提供する会社なので、この好況の間は、業績的にも伸びていってくれるものと信じています。

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