四季報2018秋全部読む! 第18回 真っ赤なバイオと真っ黒ドリーム

四季報2018秋全部読む!前回前々回は、上場したての若い企業が多かったので、一社ずつチャートアクションを貼りつつ、将来のテンバガー候補を探しました。

今回からは通常回に戻ります。文科系の私にはとってもつらい、化学と医薬品企業がダーッと並ぶ4400番台以降を見てまいります。molとかもう覚えてないよ。MOLといえば商船三井やろ(投資家脳)。

 

 

~ここまでの投稿~

第17回「テンバガーを探せ!2018上場IT企業特集その2」

第16回「テンバガーを探せ!2018上場IT企業特集その1」

第15回「結構元気!老舗IT企業!」

第14回「高分子ナノ有機フッ素化合物的な」

第13回「下げ局面で成長株投資はやめとけって・・・」

第12回「きれいなチャートと10倍株」

第11回「コーエーの野望」

第1回~第10回まとめ

番外編「あの不動産企業は今」

番外編②、③「ピーターリンチの株式分類法とは?」 (前編)(後編)

 

ピックアップ基準(これらのうち複数を満たす企業を中心にピックアップします)

・同業他社と比較してPER、PBRが低いこと
・財務が堅実であること(自己資本比率50%以上、ネットキャッシュ豊富)
・営業利益率が同業他社と比べて高い(できれば10%以上)
・売上高成長率が高く、かつ営業利益の伸びを伴っている
・業務内容などに何らかの個性が感じられる(業界初、唯一の企業)
その他時事ネタ

あと、業界のベンチマークとして、大手企業を見ることがあります。
特に気になる企業は文字を赤くします。また、企業の特徴に応じて急成長株、市況関連株などの分類を行っていきます。

また、好材料は赤い文字、悪材料は青い文字で書きます。強い材料あれば太字にします。

 

4401 ADEKA ~ 4471 三洋化成工業【化学※一部例外アリ】

再び化学、ここは日油と花王のみ。

4403 日油 市況関連株 ニッチとか、先駆者みたいな四季報コメントが並ぶ企業っていいですね。油脂系化学の先駆的な存在。界面活性剤や食用油脂を作っている。
値動きがきれいで、2015~2018の3年で大きな下落が全くないのが素晴らしい。営業利益率も10%超え

4452 花王 優良株 ご存知花王!衛生品、化粧品の超大手!なんでも中国人が訪日してわざわざ花王のおむつを買いに来るとか。そんな花王は2013年から19年予想まで6年連続営業利益を伸ばしており、非常に安定した経営だということがわかる。チャートもなだらかな上昇。配当も毎年増配で、日本に数少ない優良株の一つ。ただ、もうPERが30倍近いので、過熱気味かなぁ。あと配当利率も高いわけでもないので、優良株なら米国株買えばって感じ。

 

4502 武田薬品工業 ~ 4597 ソレイジアファーマ【医薬品※一部例外アリ】

いよいよ医薬品業界にはいってきました。ここまで医薬品業界の企業をほとんどみていないので、まずは医薬品業界の大手を比べて、業界全体の空気感をみてみることにしましょう。

比べてみよう製薬大手

一般に大手四社とか、御三家とか言われているところって、二番手企業が一番利益率的に有利なんですよね。製薬もやはり二番手に付けたアステラス製薬の利益率が一番良いです。

大手四社と日経平均の一年比較チャートがこちら。武田が一人負けで、第一三共が今年に入って異様に伸びています。

大手四社の今後ですが、武田はベルギーのバイオ医薬品企業とアメリカのシャイアーを買収。20年3月期の売上高予想は驚きの3兆円!(19年3月期予想 1.7兆円)。アステラス製薬はリストラでコスト圧縮。大塚製薬はアメリカの医薬ベンチャーを買収。第一三共は特許切れの薬を他社へ売却。

 

4507 塩野義製薬 市況関連株 たまたま見ていた日経新聞で塩野義のインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」が使いやすさから人気との記事があったため、取り上げる。記事によれば、同社では自社開発にこだわった結果、他社に支払うロイヤルティが節約でき、採算が向上したというものだった。
確かに、同社の営業利益率は18.3月期で33%と、上記の大手四社とは大きくかけ離れている。この状態はどうやらここ数年のことで、それ以前(2010年代前半)は、売上も利益も横ばい。ゾフルーザ以降、どうなるかが心配だが、当面は安泰。

4517 ビオフェルミン製薬 市況関連株 四季報コメントの【ぽっこりお腹】にクスっとくる。営業利益率は30%近い。キャッシュも豊富で安定的。ただし株価は全然あがっておらず、PER14倍台のまま。成長を感じさせないし、わざわざ買わなくてもということなのか。

4519 中外製薬 市況関連株 高田純次「5時から男」で有名になったグロンサンの・・・と思いきや、今はライオンの製品なのね。それはともかく、ここは02年からスイスの世界的製薬企業ロシュグループの傘下。現在有名なのはタミフル。売上高は上記の大手四社に及ばない(5千億円規模)のに、時価総額では武田・アステラスと並ぶのは、やはり親会社の威光があるからか。PERが40倍を超えており、買われ過ぎでは。

4523 エーザイ 市況関連株 一般的にはチョコラBBとかの会社だが、認知症や潰瘍薬が実際のところは主力。今後2期の営業利益は大きな伸びが予想されており、株価も今年に入ってから急上昇。こちらも予想PERが40倍超えており、過熱気味。

4528 小野薬品工業 市況関連株(時事ネタ) ノーベル賞的な意味で取り上げざるを得ない。あのオプジーボの会社。とにかく需要が旺盛で販売量も増加。営業利益率も高く、20%台半ばは驚きの数字。ノーベル賞発表後こそストップ高を付けたが、そこがピークで、現在はむしろ発表前より下がってしまっている。おもちゃにされてしまった格好だが、予想PER29倍なので、まあ今の水準が妥当かもしれない。

4530 久光製薬 市況関連株 サロンパスでおなじみの湿布の会社。もちろんそれだけではなく、医療用の製品や、パーキンソン病、統合失調症などの病気治療薬も開発、販売している。今年6月にはあわや一万円というところまで株価が上昇したが、夏以降は下落一方で、現在は7000円台も割ってしまっている。営業利益率は15%前後で推移しており、手堅い。

4543 テルモ 市況関連株 体温計など医療機器でおなじみ。売上、利益とも伸びが大きく、つい優良株扱いしてしまうが、以前の売上、利益推移をみると結構不安定(リーマン、震災を挟んでいるので仕方ない面があるが)なので、この好況が終了すると一気に不安定化するかも。今のところチャートは時に調整を挟みつつも上昇トレンドを崩していない。

4581 大正製薬 市況関連株 鷲のマークでおなじみ大正製薬。市販の薬では最大手。直近では苦戦も、子会社の吸収やリストラなどで復活を期す。四季報は苦戦とか言っているが、実際は営業利益率は10%を超えているし、来期は株売却の特益もあって、数字上はとてもそうは思えない。

 

ここから先は毎年赤字垂れ流しの創薬ベンチャーが並ぶ、まさに地獄の一丁目。どうして毎年10億円の赤字を垂れ流す企業が何年も存続できるのかがわかりませんが・・・。そんな中でとんでもない企業を見つけてしまいました。

4587 ペプチドリーム 市況関連株 創薬ベンチャー。大手の組んでの共同開発も。ここは営業利益率がなんと驚異の4割越え!一度当たれば、ここまで儲かるんなら、そりゃやりたくなるわな。チャートも大きな調整もなく、淡々と上昇中。

その他の企業は疑義注記や重要事象のコメントが書かれた企業ばかり。本当に創薬ベンチャーの経営って天国と地獄。

 

まとめ

医薬品の世界は複雑怪奇・・・。安易に手を出すと、創薬ベンチャーのはずがつぶれただとか、主力薬品のジェネリック製品が出てきて、それにシェア奪われたとか、開発がことごとく失敗して資金繰りが尽きたとかいう結末を迎えかねません。

大手にしても、現在の好景気に乗っかているだけで、実際はまた不安定な業績推移にもどってしまうということになりかねません。前にも言いましたが、優良株と市況関連株を誤認すると、リセッション時にひどい目にあいますからね・・・。

なかなかすすまない四季報2018秋号全部読む、今回はここまでです。次回は4611 大日本塗料からまたしても化学分野を少しやって、その後は老舗ITが出てきます。

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