四季報2020夏号全部読む! 第23回 ChatworkはZOOMやSkypeに勝つのはちょっと無理?

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どうした安倍総理!?……そんな四季報夏号全部読む!前回記事では、4435 カオナビについてチェックしてみました。人事管理システム自体は競合も多いわけですが、顔写真を用いて管理するというのが非常に独特です。業績の伸びは強く、赤字解消の目途も立ちそうなので、投資対象としてはよさそうだと思っています。

さて、今回注目する企業は4448 Chatworkです。ビジネス用のチャットサービスや、セキュリティソフトの代理店ビジネスを行っている企業です。

(前回記事:第22回 カオナビの人事管理システムをみんな買おう?

前号(2020年第2集 春号)まとめはこちら!
四季報2020 春号全部読む!第1回~第10回まとめ
四季報2020 春号全部読む!第11回~第20回まとめ
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4448 Chatworkの概要

Chatworkは2000年に大阪府で、企業向けホームページの集客支援サービス事業の会社として創業されました。その後、2006年にセキュリティソフト「ESET」シリーズの販売代理契約を結び、セキュリティ事業に進出、その後2011年に現在の事業の中核であるビジネス向けチャットソフトChatworkのサービス提供を開始し、現在に至っています。

Chatwork(サービスの方)はビジネスチャットとして、ビデオ通話機能やグループ機能、ファイル共有機能などに優れ、国内では大学などでの採用実績が多いようです。大企業ではサイバーエージェントやGMO、グリーなど、大手のIT企業に採用されています。

ビジネス用のチャット、会議用のソフトといえば、SkypeやZoomなどが昨今のテレワークブームもあってよく使われていますが、これらのソフトが基本的にP2P(個人対個人)の接続が基本であるため、会社全体のサーバーにデータが残らない(会議の動画を個々人で残しておく必要がある)、グループチャット機能が弱い等の問題点がありました。

一方でChatworkは企業内のサーバにインストールする形になるため、接続が安定的で、Web会議やミーティングの内容がデータとして社内サーバにちゃんと残せるようになっています。またセキュリティ意識も高く、Zoomで発生する「Zoom爆撃(=無関係のユーザーが突然ルームに入り込んで会議の邪魔をする)」のようなことも起こりません。

同様のビジネス向けチャット、Web会議ツールとしては、昨年上場したAI CROSSが提供するInCircleや、LINE系企業が提供するLINE WORKSがあります。

Chatworkの業績は?

それでは、Chatworkのここ数年の業績と、今期の予想を見てみましょう。

直近で先週8/14に発表されたばかりの’20年12月期 第2四半期決算はこちら、説明資料はこちら。先週発表された決算に合わせ、当初未発表だった通期の業績予想が発表されました。新型コロナウイルスの感染拡大もあって、幅を持たせた予想でしたが、上下限の中間の値で着地した場合、売上高は30%以上の増、営業利益は3倍以上の増となります。

Chatworkの株価は?

Chatworkの株価はコロナショックの底値以来3倍になっています。ただ、株価の上昇は6月までで、それ以降は軟調な推移に終始しています。また、8/14発表の決算でも株価は上昇せず、好決算は織り込みだったようです……。

PERは172倍と割高ですが、急成長株独自の指標である「PEGレシオ」を計算すると、

172倍/467(今期の利益成長率467%より)≒0.36

と、1を大きく下回って「割安」という事になります。

総評:AI CROSS,LINEなど競合が多すぎる⇒NG

Chatworkは提供するアプリ自体の質は高いと思いますが、国内、国外にライバルがあまりにも多すぎ、今後厳しい戦いを強いられるものと思います。

業績的にはようやく赤字を脱して利益回収の段階へと移行しつつあるわけですが、並み居るライバルに勝てるのかは未知数です……というわけで、投資は見送りとしたいと思います。

次回は4475 HENNGEです。昨年上場したばかりのID管理の会社です。

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