え?まだ梅雨明けてないの……そんな四季報夏号全部読む!前回記事では、2384 SBSホールディングスについてチェックしてみました。今後のM&A次第ではまた大きく株価変動する可能性あるかとおもいますが……。
さて今回は、2413エムスリーについて見てみたいと思います。
(前回記事:第10回 SBSホールディングスは買収先探す嗅覚で急拡大)
前号(2020年第2集 春号)まとめはこちら!
四季報2020 春号全部読む!第1回~第10回まとめ
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四季報2020 春号全部読む!第31回~第39回まとめ
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2413エムスリーの概要
エムスリーは今からちょうど20年前の2000年9月に設立されました。当初の社名はソネット・エムスリー。この社名からもわかるようにソニー系の企業として設立され、現在も筆頭株主(34.0%)はソニーです。
同社は医師などの医療従事者向けの情報サイトをサービスとして運営しています。例えばm3.comは現場の医師たち向けの最新情報や、医師同士の交流サービスも備えています。また、製薬会社のMR(医薬情報担当者)からの情報を掲載するMR君や、医師・薬剤師向けの転職支援サイトなども運営しています。
事業の構成としては、医師向け情報サイトが4割近くを占め、医療機関向けの治験支援事業が15%程度、転職支援事業、医療機関運営支援サイト事業がそれぞれ10%前後という割合になっています。
この手の情報サイトをやっている主な競合にはメドピアや、昨年上場したばかりのメドレーなどがありますが、企業規模的にはエムスリーの方が圧倒的に大きいです。(※メドピアの売上規模は30億円程度、メドレーも60~70億円程度)
エムスリーの業績は?
それでは、エムスリーのここ数年の業績と、今期の予想を見てみましょう。
営業利益は30%程度で推移していますが、ちょっとずつ下がっています。ただ売り上げは年間10%以上の成長を続けています。
直近では第1四半期決算が7/29に発表予定です。コロナ禍でどこも厳しい業績ですが、果たして……。なお、今期の業績予想は非開示となっています。
エムスリーの株価は?
エムスリーの株価推移です。コロナ禍からの回復は一定のリズムで続いており、いきなりドーンと上がるような動きはしていません。足元7月はかなり好調な値動きが続いています。
PERは今期業績予想が非開示なので不明ですが、仮に昨年の数字(EPS=31.9円)から算出しようとすると161倍ととんでもない数字になってしまいます。時価総額も既に3兆円を超える超大型株となっており、なんと日本のすべての株式銘柄の中で第31位につけています(ちなみに30位はゆうちょ銀行、32位はみずほFGという錚々たるメンツ)
総評:優良企業だが、せめて5年早く出会えれば……⇒NG
エムスリーは、本業の成長も、M&Aによる拡大も十分なスピードを維持していると思います。当面コロナウイルス関連株という事で医療関連株は物色され続けるでしょう。今期の業績予想が非開示なのは気にかかりますが…。
ただ、時価総額で見るとすでに3兆円と大きく成長しきっており、PERも100倍以上とかなり過熱してしまっています。今後も10%くらいのペースで増収増益が続くのでしょうが、ここから2倍はおろか、1.5倍も難しいのではないでしょうか。
そういったわけで、決して悪い株ではないものの、ここからの上がり目に疑問符がつくため、投資対象とはしない方向で行きたいと思います・・・。
さて、次回は業務スーパーを展開する3038 神戸物産に注目してみたいと思います。
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