前回から間を(あまり)おかず、2週間ぶりに企業分析シリーズです。これまでIT企業や精密機器など、先端的だけどはっきり言ってわかりにくい業種ばかりを取り上げてきましたが、今回は「飲食」です。
今回取り上げるのは、餃子居酒屋「ダンダダン酒場」などを首都圏を中心に展開するNATTY SWANKY(株式コード:7674)です。
NATTY SWANKYってどんな会社?
NATTY SWANKYのやってることは非常に簡単です(笑)。餃子居酒屋「ダンダダン酒場」などの飲食店の直営・フランチャイズ店の展開です。といっても、同社は最初からこのダンダダン酒場だけをやっていたわけではありません。
同社は2001年に有限会社として設立され、当初は社長で創業者の井石裕二氏がダイニング・バーを、副社長で共同創業者である田中竜也氏がラーメン店をそれぞれ展開していましたが、2011年に出店を開始した「ダンダダン酒場」が大あたりし、現在は全国に80店舗(直営・FC合計)を展開しています。
事業内容
事業内容は「飲食事業」の単一です。当たり前ですね。ブランド展開しているのは現在の「ダンダダン酒場」のみです。要するに、ダンダダン酒場を全国で展開する、という非常に単純なビジネスになります。
NATTY SWANKYの業績は?
NATTY SWANKYの業績については、年に20%以上のスピードの成長を何とか維持しています。2020.6月期⇒2021.6月期でどれだけ伸びることができるかでしょうかね・・・。
ダンダダン酒場の成長余地は?
ところで、飲食株で急成長といえば、いきなりステーキの「ペッパーフードサービス」が有名です。このところはさすがに株価は暴落して厳しい状況ですが、2017年にはテンバガーを達成するなど非常に勢いがありました。
このいきなりステーキは先月末現在でなんと478店舗を展開しています。2017年末には188店舗、2018年末には397店舗だったことを考えると、異常なまでの急拡大と言えます。
おなじステーキチェーンのステーキガストが135店(2019.6月末)ですから、その3倍以上の出店というのは過剰出店でしょう。そんなに我々はステーキをいきなり食べたいわけではありませんから。
一方でダンダダン酒場は文字通り「酒場」ですから、いきなりステーキのように車での来店が前提となる郊外ロードサイドへの展開は不可能です。NATTY SWANKY社も、自社の資料で「出店の基準となるのは乗降客数3万人以上の駅」だと述べています(リンク貼った資料の15Pより)。
この条件を満たす駅は全国に400程度で、ここに全て出店したとしたら、単純計算で業績は5倍に拡大する余地があるという事になります。ちなみに例外として、一日の乗降客数が2万人程度の戸越銀座駅前にも出店していますが、戸越銀座はご存知の通り人気の商店街を抱えており、通常の郊外の小さい駅とは事情が大きく異なります。
今後の見通しは?
NATTY SWANKYの今後は、どのようにして先述の400の駅前に速やかに店舗を展開するかということに尽きると思います。(そもそも酒場という時点で長期的な頭打ちは必至ですが)
現状は、九州(というか福岡市)に3店、愛知県に1店舗(大須)という状態ですが、その他にも出店を検討している地域として、札幌、水戸、新潟、広島、高松、熊本などがあるようです。水戸、高松以外はいずれも政令市ということになります。
NATTY SWANKYの社風は?
飲食業というと、某居酒屋チェーン店のせいでとかくブラックのイメージが強いですが、井石社長はそうしたイメージを払しょくしたいと語っています。
例えば店長やマネージャークラスといった責任が重く、まず休むことができないと思われていたポジションの写真でも例外なく、月~金と5連続で休暇を取らせてしまうという「強制連休制度」なんかは非常にいいと思います。
ただ、「読書感想文を書いたら3000円」という施策や、業務外で「部活」をやったり、みんなで海の家にいくとか、体育会系なノリが非常に強く感じられます(笑)。個人的にはちょっと苦手なノリですが、まあ若い飲食系企業なんて、どこもそんなもんなのかもしれません・・・。
NATTY SWANKYの株価推移は?
NATTY SWANKYの株価推移ですが、今朝はちょっとびっくりしました(笑)。寄り付き前の板を見るとストップ安寸前まで売り込まれており、どうやら大口の利確?売りがあったみたいです。
今後株価の推移は逐一見ていきますが、基本的には上げトレンドが続いているので、もうしばらくホールドしていきたいと思っています。(大きくさがるようなら切りますが)
まとめ
NATTY SWANKYはこれまであまり存在しなかった「餃子」をフィーチャーした居酒屋として現在全国に急速に店舗を拡大しています。利益率も今の段階で既によいですが、今後は儲かりやすいフランチャイズ展開に拍車がかかることから、さらに利益率は改善されると思います。
ただ、居酒屋という業態上、車での来店を前提としたロードサイド店舗の展開ができないことから、いきなりステーキのようなスピードでの発展はやや難しいのかなと感じました。
というか我が裏日本にはダンダダン酒場、影も形もないのですが・・・。
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