2024年新紙幣発表から考える「新円切り替え」の衝撃と理不尽

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2024年から新紙幣発表へ!

2019年4月9日に、2004年から使用されてきた一万円、五千円、千円の三種類の日本銀行券が、5年後の2024年を以て、デザインと肖像画の人物を一新するということが財務省から正式に発表されました。

新しい一万円、五千円、千円札には、それぞれ渋沢栄一津田梅子北里柴三郎が選ばれています。

さらにその後、2021年の大河ドラマ「蒼天を衝く」の制作が、吉沢亮さんの主演で決定されるなど、新紙幣へ向けた機運が盛り上がりつつあります。

また、紙幣だけでなく、五百円硬貨もデザインこそ変更ないものの、色の異なる二つの材質を組み合わせたバイカラークラッド硬貨となることが発表されています。

しかし不穏な噂が

今回の新札発行に伴い、ネット上ではまことしやかにある噂が流れています。

それは、「新札発行に伴う預金封鎖」

今回新たに一万円札の肖像画となる渋沢栄一の孫が、昭和21年に大蔵大臣として預金封鎖と大幅な資産課税を断行した渋沢敬三であることも、その噂に信憑性を加えています。

 

そもそも預金封鎖って?

いまから70年以上前に行われた日本国内における預金封鎖については、非常に読み応えある記事を見つけたので、お時間のある方はぜひ読んでみてください。

ただ、非常にボリュームある記事なので、時間のない方のためにざっくりと当時行われたことを説明します。

インフレと借金に苦しんだ終戦後の日本

戦後の日本は、戦時中に作った借金が膨らみに膨らんでいました。当然これは返さねばなりません。しかし返すお金はない・・・。

そこで、日本国民の財産に課税をして(税率最大90%!返す元手とすることにしました。その前段階として、国民の資産状況を把握しておくする必要があります。

そのため、昭和21年に新札発行と同時に旧札の流通を禁止し、「銀行にお金預けないと新札と変えてあげないよー」などと言って国民の現金を銀行に吸い上げさせたところで、そこに財産税をガッツリと課税するというまさに完ぺきな計画でした。

ちなみに、作りまくった借金は国民から借りていたものなので、実質的に借金の踏み倒しです。本当に国ってやりたい放題できるんですよね。

 

安易なキャピタルフライトは無意味

そういう話をすると、必ずと言っていいほどキャピタルフライトして資産を海外に逃がすとか、当社もよく投資をしているビットコインはじめ仮想通貨(暗号資産)に投資して資産を隠そうという人が出てくるのですが、正直無意味だと思います。

おそらく政府はなんとしても財産を把握する

ここ数年、政府はアンチマネーロンダリングの名の下に、キャピタルフライトに対して非常に過敏になっています。平成27(2015)年からは、出国時点で1億円以上の資産を持っている人は、なんと資産の含み益に課税をするというとんでもない制度も始まっています。

確定申告をやったことのある人はわかると思いますが、所得税というものは、本来実現した所得について課税されるものです。未実現の利益である含み益に課税というのは、かなり無理筋な話であるといえるでしょう。

こうした動きから見ても、平成最後の今の段階で、キャピタルフライトを目論むのは困難であるといえるでしょう。

また、資産をビットコインに換えて持ち出したとしても、国内はおろか海外含めてほとんどの取引所は我々の個人情報を要求してきますし、日本政府の求めがあればその情報は当然提供するでしょう。さらに、ハードウォレットに入れたとしても、そこまでのカネの流れ(円からビットコインに換える段階)で足がつくはずです。

それでも生き残るには

預金封鎖最大90%の資産課税というめちゃくちゃな状況下でも、当時の日本人は一部の旧華族、旧財閥を除けばなんとか立ち回り、生き延びています。例えば、あの堤康次郎は、財産税の支払いに苦しむ旧華族、旧財閥から土地を買いあさり、巨大な西武グループを一代で作り上げました。

我々のような一般国民はここまで大胆なことは難しいかもしれませんが、それでも何らかの手はあるはずです。

ハイパーインフレには対抗するには通常、などの有価証券、不動産ビットコインといった商品に投資すべきですが、さらにそこに財産課税が加わってしまうと、かなり太刀打ちが厳しくなってきます。

 

とにかく給与所得を得て、投資を続けるしかない→あれ?

そうやって考えると、我々のような兼業投資家は、給与所得を得つつ、投資を続けていく・・・という従来の戦略を踏襲していればよいのでは?という結論になります。

ただ、財産課税を行った場合、納税資金確保売りで一旦各資産クラスの価格が大きく下げる(不動産は物納できるけど、株は多分無理)はずなので、とにかく現金を確保し、混乱が落ち着いた段階で買い集めていくのが正解かもしれません。

 

関連書籍:「論語と算盤(渋沢栄一・著)」

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