止まらぬビットコイン下落相場
ビットコイン価格の下落が止まりません。1月中旬以降、1BTC=40万円を少し切る水準で推移してきたビットコイン価格は、27日からまたも下落を開始しています。
本日29日午後10時現在では37万円前後で取引されており、昨年12月のバブル崩壊後の最安値、35万円に迫りそうな勢いです。
2015年パターンなら、最悪10万円台までの下落も!?
ここでビットコインの歴史を振り返ると、1月は2015年以降ここまで5年連続で下落相場を演じています。
2015年 始値:38,378円⇒終値:26,000円(32%下落)
2016年 始値:51,845円⇒終値:45,555円(12%下落)
2017年 始値:117,340円⇒終値:111,255円(5%下落)
2018年 始値:1,622,005円⇒終値:1,005,610円(38%下落)
2019年 始値:404,810円⇒終値(1/29現在):370,640円(8%下落)
特に2015年と2018年は30%を超えると大きな下落率となっています。2018年は、まさにバブル崩壊中の相場でしたが、2015年の下落は既にバブル崩壊から一年後で、疲弊した投資家に追い打ちをかけるような暴落であり、今年(2019)年と似た状況下での出来事になります。
したがって「2015年型」の追い打ち下落が、今後発生する可能性は十分にあります。この場合、ビットコインは30万円を切り、20万円台へと突入しますし、最悪2017年以来となる10万円台を付ける可能性すらあります。
それではその下落の引き金を引くのは何か。私は「Mt.Gox」だとみています。もう5年経ちますが、この事件、まだ終わっていないのです。
Mt.Goxの債権者たちへのビットコイン返還売りは?
前々回バブル(2013-14)崩壊の引き金を引いたMt.Goxのビットコイン消失事件から、来月でちょうど5年を迎えます。
私は約1,000人とも言われる日本人利用者の一人でした(債権額は非常に小さいので放棄)ので、個人的には結構感慨深いですが、感傷に浸っている暇はありません。
まだこの事件の後処理は続いているのです。
Mt.Goxから盗まれたビットコインは顧客分だけで75万BTC、当時の相場で約470億円といわれています。(ソース:日本経済新聞ニュース)
その当時Mt.Gox社に残っていると見られていた財産では到底顧客への賠償は不可能でしたが、その後状況が一変します。
まず、その後の調査で、Mt.Gox社のウォレットに約20万BTCが残存していたことが判明します。さらにその後2017~18年にかけ、ビットコイン価格が大幅上昇しました。
これにより、残存20万BTCのうち
①約6万BTCは市場で売却して、日本円で返却⇒約470億円分
②残り約14万BTCは債権者のBTC保有数で比例配分
という形で賠償を行っていく方針が固まりました。
つまり、今後14万BTCが、旧Mt.Gox債権者の元へ返ってくるのです。
これまでMt.Gox社管財人の小林氏が約6万BTCを淡々と売り浴びせたことにより、「小林砲」などと恐れられてきましたが、今後は、残りの約14万BTCがいわば「Gox砲」となり、価格に大きく影響する恐れがあります。
(※もちろん、日本円で戻ってくる約470億円が、ビットコインの「買い圧」となる可能性も今後十分にあります。なんといっても、日本で最初にビットコインを買った人たちですから。)
今後のスケジュールは・・・?
当初、債権の認否作業などを経て、Mt.Gox者側が再生計画を東京地方裁判所へと提出する期限は来月2月14日とされていました。しかし、この認否作業に時間を要した結果、この期限が約2か月後、4月26日へと変更されました。
(ソース:再生債権認否書の提出期限等の変更に関するお知らせ(Mt.Gox社公式サイト))
正直私は法律素人なので「民事再生手続き」についてはこちらのサイトに概略が載っていますから、そちらをご確認ください。
提出された計画は、東京地方裁判所が選定した「監督委員」によって問題がないか審査され、その後債権者によって賛否を議決し、可決された場合に計画が実行されます。
だんだんわからなくなってきましたが(笑)、債権者達にいちいち賛否を問わないといけないので、今行われている債権認否同様、ものすごく手間と時間がかかると思います。
要するに、Mt.Gox債権者側に実際にBTCが返還されるまでは、まだ結構時間があるぞ・・・ということです。
底から考えると、本当の意味で、ビットコインが売り圧から解放され、再び上昇軌道を描くには、まだまだ時間がかかりそうです・・・。
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