あれから一年・・・
昨年1月26日に発生した、コインチェックのXEM(NEM)流出から、一年が経ちました。そんな中1/25にコインチェックが突如ビットコインの入出金を停止したことから「すわ、再流出か」と投資家たちを不安に陥れました(実際は単なるメンテナンスだったとのこと)。
事件前の昨年1月3日に、一時240円まで上昇したXEMも、2019年1/26現在では6円を切り、なんと高値から1/40にまで下落しています。
昨年秋にはコインチェックの全面再開、今年始めには金融庁から仮想通貨交換業者として認められるなど、好材料が続いているはずなのに、全くXEM価格には反映されていきません。
ちょっとその原因を自分なりに考えてみることしました。
株としてみるXEM(NEM)
ちょっとここで、XEMを株として見てみましょう。XEMのプロフィールは以下の通りです。
発行枚数:90億枚(全て発行済)
価格:約6円(1/26現在)
時価総額:540億円
売上:不明
利益:不明
XEMは6円まで下落してなお、540億円もの時価総額を有するのです。日本国内の企業でいうと、いきなりステーキのペッパーフードサービス(552億円)、チケットぴあを運営するぴあ(550億円)、人材派遣のパソナ(551億円)、永谷園(480億円)、丸大食品(494億円)・・・。
これらの企業とXEMは同規模の企業価値だという事になります。どうでしょうか。妥当でしょうか?
皆さんは永谷園のお茶漬けを一度は食べたことがあるでしょうし、丸大食品のハムやウインナーを一度も口にしたことがない、という人を見つけることは難しいでしょう。
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一方でNEMはどうでしょうか。私は以前XEMを保有していましたが、そのサービスを利用したことは恥ずかしながら一度もありません。また、この一年間、街を歩いていても、テレビを見ていても(コインチェック事件のニュースを除いて)NEMについて見聞きすることは全くといってよいほどありませんでした。
もちろん、事件のおかげもあって、一般への知名度はビットコインについて高いかもしれません。しかしそれは悪名であって、実際に動いているNEMの機能や、そもそもNEMで何ができるのかについて知る人は、一般にはいないでしょう。(もちろん一生懸命に開発や普及に取り組む人がいらっしゃることはわかりますが・・・)
NEMがスタートしたのは今からわずか4年前、2015年のことです。たった4年で540億円の時価総額に達したわけで、もしこれが企業であれば十分な数字でしょう。
NEMは企業ではないので、売上、利益という概念がなく、適正な時価総額を出すことはできませんが、前述の企業たちと比較しても、同じかそれ以上の価値があるか?といわれると、まだそうは言えないような気がします。
もし私が「株式会社NEM」のCEOなら
先ほどからNEMを企業として捉えて、現状の価格の妥当性について考えてみました(結果的には「わからん」という事に(笑))が、もし私が「株式会社NEM」の経営責任者であり、時価総額を上昇させるミッションを負っていたとしたら以下の施策をとると思います。
・発行済XEMの買い取り⇒消却(Burn)
・配当(ハーベスト報酬の増加)
・他通貨(ビットコインなど)対応サービスに出資し、XEMに対応させる
これは企業における非常にオーソドックスな株主還元策であり、これらの非常にベタなことをやるだけでも十分価格には反映されてくると思うのです。少なくともこうした姿勢を見せるだけでも大分違うと思うのですが。
実際のNEMには、中央集権的な運営主体がないので、こうした施策をとることは難しいと思いますが、時価総額をあげること「だけ」を見ていったらこういうやり方しかない気がします。
おわりに
コインチェックからNEMが流出して1年経ちます。ビットコイン以下仮想通貨には底堅いという動きも見られます。確かにもう十分下げたのかなとは思いますが、今回も前回バブルまでの動きと同じパターンが繰り返されるかどうかはわかりません。
あくまでまだまだ慎重に行動する時だとは思います。私はあまり慎重でないので、しれっと数百万円ぐらいドーンと買ったりするかもしれませんが(笑)
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