昨日アップした前編では、2018年のIPO企業の中から、売上高や営業利益率、株主構成などでスクリーニングした22社を「テンバガー候補生」として紹介しましたが、今回はその後編として、さらに企業を絞り込んでいきます。
向こう2年の安定成長が予想されているのはこの3社だ!
前回は、前期実績や今期予想業績で条件をスクリーニングしていきましたが、今回はさらに絞り込むべく、来期まで含めて20%の増収(売上高20%上昇)、営業利益率10%以上を維持できているかなどを条件に加えました。(新興企業の成長って減速しがちですからね)
その結果、22社からさらに3社へと絞り込めましたので、ざっくりレビューしていきたいと思います。
9450 ファイバーゲート(設立2000年、上場2018年3月)
事業内容
賃貸物件や商業施設向けのWi-Fiサービスを提供する会社です。
賃貸物件に住んでいると、引っ越しの度に、インターネット関係の手続きが面倒ですが、この企業では、そうした賃貸物件全戸一括で使えるインターネットサービスを提供しています。
ファイバーゲートは、賃貸物件に設備を設置し、インターネットサービスの利用料をオーナーから受け取っています。昨年時点で全国15万軒の賃貸住宅と利用契約を結んでいます。
また、観光地や商業施設などを対象とするフリーWi-Fi事業にも取り組んでおり、こちらも全国に46,000以上のアクセスポイントを設置しています。
業績
2018年6月期の決算は売上高39.7億円(前年比42%増)、営業利益5.6億円(前年比55%増)となっています。次期以降も大きな伸びが予測されています。また、中期的想定として、2021年6月期には、売上高70億円、営業利益13億円を目指すとのことです。
株価
ファイバーゲートの株価は、3月の上場直後こそ上げませんでしたが、夏以降は1500~2000円で推移していきました。12月以降は市場全体に引きずられて株価は大きく下げましたが、上場初値1194円は(2分割を考慮)は依然上回ったままです。
参考資料・サイト
ぶっちゃけどうよ?
成長株に投資することの多いピーター・リンチによれば、人目につかないニッチな業界で、しかも必需品を売っている会社の株は買いだそうです。
ファイバーゲートはまさにそのタイプにぴったりと当てはまります。
地合いが非常に悪いので今すぐ買っていいかどうかは何とも言えませんが、非常に投資したい企業であることは間違いありません。
6572 RPAホールディングス(設立2000年、上場2018年3月)
事業内容
事務作業を代替するRPA(Robotic Process Automation=業務自動化)提供や求人のアフィリエイトサービスプロバイダー事業を展開しています。
働き方改革による従業員への業務負担の軽減と、人手不足への対応という二つの観点で、業務自動化へのニーズは非常に高い(私の仕事においてもそうです)です。
設立が2000年とやや古いですが、もともとは普通のWebサービス企画会社だったところ、2008年ごろから業務自動化サービスをリリースし始めたようです。
業績
2018年2月期の決算は売上高41.8億円(前年比58%増)、営業利益4.6億円(前年比280%増)となっています。次期以降も大きな伸びが予測されていますが、買収した子会社の売上高による部分も大きく、営業利益率が10%ぎりぎりなのが、気になるところです。
株価
RPAホールディングスの株価は、昨年3月の上場以降夏までは下げ続けていましたが、夏以降盛り返し、11月末の5分割を挟んで再び高値を付けますが、12月以降の株安でまたしても下げ始めました。
ただ、上場以降の上げ幅は11%と、軒並み下落した他のIPO銘柄に比べて優秀です。
参考資料・サイト
ぶっちゃけどうよ?
売上高の成長はすごいんですが、これは買収した子会社の寄与分があるので、単体での数字をちゃんと見る必要があると思います。1:5の分割も、同時期に上場した他社に比べて分割幅が大きく、なんというかアクションが派手だなと思います。
また、社長髙橋氏はメディアに登場していますし、取締役の大角氏は著書もあります。私は「社長がキャラ立ちしている会社は伸びる」と思っているので、そういう意味では高評価です。
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こういうちょっと派手な会社は、地合い感応性(私が今作った造語ですw)が高いような気がしますので、こうした地合いの悪化初期に入るととんでもない下落に巻き込まれそうな気もします。
4397 チームスピリット(設立2008年、上場2018年8月)
ここは以前個別記事を書いて取り上げたので、詳しくはそこをご覧いただくとして、同社は1月11日に第1四半期決算が発表されます。したがって、決算の内容次第では大きく下落することも予想されます。
なお、11月以降の株価の推移としては、11月前半は大きく上げて、一時4,000円にも迫ろうかという勢いでしたが、12月以降は下落し、現在は3,000円を少し切っている状況です。
過熱感が収まってきたかなという感じはしますが、依然として上場初値の2415円は上回れているので、さらに上に行ければという感じです。もし今後5000円以上に上がっていければ、株式分割も視野に入ってきます。
参考資料・サイト
おわりに
前編、後編と二回にわたって、昨年上場したばかりの若い企業の中から、今年以降特に期待できる銘柄を選びました。くどいようですが、今年は地合いが厳しそうです。したがって、かつてのビットコインではありませんが、「HODL(=一度持ったら売らない)」するというのも一つの手かもしれません。
果たしてこの中から、未来のテンバガー企業は現れるのか!?
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