四季報2018秋号全部読む!前回から陸運に突入しました。今回も引き続き陸運と倉庫、海運、空運などの運輸系をチェックして行きます。
今回は9055 アルプス物流からスタートです。
ですが、正直営業利益率が低いうえに、配当もさほどなく、ビジネスモデルの差別化もしづらい業界なので、投資対象としてははっきり言って微妙です。
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~ここまでの投稿~
第52回「JR東海の利益率は相当かい(東海)?」
第51回「ゴールドクレストの保有地上がってクレスト?」
第41~50回まとめ
第21~30回まとめ 第31~40回まとめ
第11~20回まとめ 第1~10回まとめ
番外編①「あの不動産企業は今」
番外編②「ピーター・リンチの株式分類法とは?(前編)」 ③「同(後編)」
番外編④「銀行・証券・保険株の用語を調べてみた」
ピックアップ基準(これらのうち複数を満たす企業を中心にピックアップします)
・同業他社と比較してPER、PBRが低いこと
・財務が堅実であること(自己資本比率50%以上、ネットキャッシュ豊富)
・営業利益率が同業他社と比べて高い(できれば10%以上)
・売上高成長率が高く、かつ営業利益の伸びを伴っている
・業務内容などに何らかの個性が感じられる(業界初、唯一の企業)
・その他時事ネタ
あと、業界のベンチマークとして、大手企業を見ることがあります。
特に気になる企業は文字を赤くします。また、企業の特徴に応じて急成長株、市況関連株などの分類を行っていきます。
また、好材料は赤い文字、悪材料は青い文字で書きます。強い材料あれば太字にします。
9055 アルプス物流 ~ 9099 C&Fロジ ホールディングス【陸運/倉庫】
総合物流大手三社比較してみた
総合物流といえば、ペリカン、クロネコ、飛脚・・・というわけで、日本通運、ヤマトホールディングスの三社の業績、値動きを比較して、陸運業界の全体の流れを見てやろうじゃないかということで、業績を見てまいりましょう。
三社の中では、SGHLDGSの採算が最も良いです。一方でヤマトの利益率ですが、これは18.3月期の数字です。19.3月期(今期)は採算が大きく改善して、およそ4%程度まで上昇する予想になっています。
続いてチャートの動きです。
青が日本通運、赤がヤマト、緑がSG(佐川)、黄が日経平均です。
前回の鉄道業界とは違い、日経をガシガシ上回っていきます。なお、佐川は昨年12月に上場したばかりなので、線が途中からスタートしています。
最初は日通が圧倒していましたが、途中からヤマトが大きく株価を伸ばしています。佐川も好調で、現状上場来の上昇率が40%以上になっています。
今後の三社の動きです。
日通はドローンの活用による倉庫の在庫確認を開始するとしています。
ヤマトは夜間配達に特化したドライバーを1万人集める計画。
佐川もドライバーを採用し、定着を狙っています。
9072 ニッコンHLDGS 市況関連株 ホンダ中心に完成車の輸送を行う企業。業界トップというが、そもそも同業者なんかいるのか?四季報コメントは【高水準】と高い評価。自動車業界の好調を受けて、業績好調。株価は比較的規則的な動き。総じて横ばい。
冒頭のコメントでも書きましたが、運輸系はあまり良い株が・・・。
9101 日本郵船 ~ 9193 東京汽船【海運/陸運/倉庫・運輸】
海運大手三社比較してみた
私の父がかつて海運業界に勤めていたこともあり、海運企業には何となく親しみのようなものを感じます。さっそく大手三社を比べてみましょう。
うーん・・・。今までの各業界で最も厳しい業績です。海運業の業績は変動が大きく、全体の景気に先行して動くといわれているので、海運が今厳しいということは、おそらく全体の景気もそれにつれて沈んでいく可能性があるということです。
海運株は景気全体の先行指標として、ウォッチしておいた方が良いでしょう。
各社についてみていくと、商船三井が18.3月期に最終赤字となっています。
続いてチャートの動きです。
青が日本郵船、赤が商船三井、緑が川崎汽船、黄が日経平均です。
2018年以降はひどい値動きになっています。特に川崎汽船に至っては、この2年で40%も下落すという厳しい相場です。川崎汽船は中間決算が会社の事前予想より悪く、この状況はまだまだ続くかもしれません。
各社の今後の動きです
日本郵船は空運子会社が7月に行政処分を受け運航停止中ですが、整備体制を立て直して再開に向けて尽力中です。
商船三井は砕氷LNG船を使って北極海航路を使い、公開日数短縮を目論みます。
川崎汽船は日本郵船などと合弁でLNG燃料の供給船事業を開始予定です。
9115 明治海運 市況関連株 外航船の船主。自動車船などを貸して収益を上げている。ホテルや不動産賃貸の運営も行う。営業利益率が13.4%と高い。チャートはこの1年間下げ続け。
9130 共栄タンカー 市況関連株 こちらも貸船主体で、コスモ石油向けが中心。共栄タンカーといえば、かつては仕手株として有名だったが、2017年10月に株式併合されて、一株当たりの価格が10倍になってしまったので、もう仕手戦は行われないと思われる。実際、併合以降は値動きがすっかりおとなしくなってしまった。普通に会社としてみると、営業利益率13%あり、採算の良い企業。ただし、債務が大きすぎる。
9201 日本航空 ~ 9233 アジア航測【空運】
9201 日本航空 市況関連株 国内、国際線ともに2位。かつては倒産危機に陥り、多くの投資家を苦しめた企業だったが、稲盛和夫氏の元大復活。営業利益率12%台の優良企業へと変貌した。値動きは4000円前後でレンジ。
9202 ANAホールディングス 市況関連株 航空首位。LCCも複数社傘下に入れている。B787のエンジンに不具合が発生し、この夏は多くの便が欠航してしまった。このため、エンジンの製造企業に対して保証金を請求して穴埋めする考え。思わぬ落とし穴。利益率は8%台とJALに及ばない。株価はあまり大きな動きがなく、面白みのない動き。
9233 アジア航測 低成長株 航空測量大手。GIS(地理情報システム)が中心。ここを取り上げた理由は、2017年夏の高騰。500円台から一気に1900円台まで、謎の高騰を見せた。きっかけはトヨタとの共同特許のニュースだったのだが、明らかに途中からは上がるから買うというような感じになっていた。こういう急騰のきっかけを持っている株は面白い。
まとめ
今回は陸海空運の企業を見てきましたが、なかなかよい企業が見つかりません。かつての仕手株、共栄タンカーも株式併合ですっかり見る影もなくなってしまいましたし・・・。
その一方でアジア航測のように、ひとつの材料きっかけで大きく伸びる(が戻すw)株もあります。時代は常に動いています。
次回以降は卸売、小売を見ていきます。
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