四季報2018秋全部読む!前回は塗料系の企業と、サービス・IT系の企業を見てきました。オービックすげえなと思った次第なんですけども、今回もサービス系の企業と化学(製薬・化粧品系)です。
あ、そうそう。今回でついに20回達成です。われながらよく書いたなと思わざるを得ません。
記事の更新ペースが遅くて、このままじゃ次号出ちゃうよと、そう思う方は↓のリンクから四季報秋号をチェックして自分だけの企業を探してみてください。
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~ここまでの投稿~
第17回「テンバガーを探せ!2018上場IT企業特集その2」
第16回「テンバガーを探せ!2018上場IT企業特集その1」
番外編②、③「ピーターリンチの株式分類法とは?」 (前編)(後編)
ピックアップ基準(これらのうち複数を満たす企業を中心にピックアップします)
・同業他社と比較してPER、PBRが低いこと
・財務が堅実であること(自己資本比率50%以上、ネットキャッシュ豊富)
・営業利益率が同業他社と比べて高い(できれば10%以上)
・売上高成長率が高く、かつ営業利益の伸びを伴っている
・業務内容などに何らかの個性が感じられる(業界初、唯一の企業)
・その他時事ネタ
あと、業界のベンチマークとして、大手企業を見ることがあります。
特に気になる企業は文字を赤くします。また、企業の特徴に応じて急成長株、市況関連株などの分類を行っていきます。
また、好材料は赤い文字、悪材料は青い文字で書きます。強い材料あれば太字にします。
4800 オリコン ~ 4849 エン・ジャパン【サービス】
4814 ネクストウェア 低成長株 ちょっとここは四季報のコメが面白かったんで取り上げました。セキュリティ事業強化のために、8月にOSK日本歌劇団を子会社化したっていうんですよ。セキュリティ?歌劇団?レビューの人たちが一斉に並んでビシーッと警備するんかと思ったら、歌劇団のサービスをITで支援する的なことらしいですね。顔認証システムとか作るみたいです。それにしてもおかしな取り合わせ。
ちなみにその前の親会社は会計事務所。迷走しすぎ、OSK。
4816 東映アニメーション 市況関連株 東映系のアニメーション制作会社。アニメの制作・販売だけじゃなく、版権の収入が大きい。コンテンツ産業だけあって、営業利益率高く2割越え。PERはまだ18倍で過熱感はなし。
4825 ウェザーニュース 低成長株 民間気象情報会社で世界最大手。年によって増減はあるものの、営業利益率は15%程度で安定。配当利回りも3%と高い。安定感。
4848 フルキャストHLDG 業績回復株 かつては派遣の会社、今はアルバイト紹介の会社へと軸足を移してここ数年業績は急回復。それにともなって株価も着実に上昇。2年で6倍!増配も。
4849 エン・ジャパン 急成長株 求人サイト大手。16.3月期⇒20.3月期で売上、利益とも2倍へと急成長。3年で株価8倍。いまから入っても苦しいか。でもすごい株価の上昇。今秋にはLINEとの合弁事業LINEキャリアもスタートしてますます勢いに乗るか。
4911 資生堂 ~ 4999 セメダイン【化学】
同じ化学でも、この辺は化粧品、日用品の会社が主ですね。
4911 資生堂 市況関連株 化粧品でおなじみ。ここ数年の業績の伸びがすごいことになっている。この規模の会社が1割前後のペースで売上が伸びるなんてなかなかない。さらにすごいのは売上で、16.12月期から、17.12月期の利益の伸びは2倍!ただし株価は春をピークに徐々に下げ、7,000円を切る水準へ。
4912 ライオン 市況関連株 おはようからお休みまで見守る会社。売り上げはほとんど横ばいも、利益がぐんぐん上昇。13.12月期⇒19.12月期を比較してみると、売上が3,520億円⇒3,800億円なのに対し、営業利益が108億円⇒400億円と4倍に。採算の向上がすごい。ただし株価は、2年間軟調な値動きで、上がり目はないか。
4921 ファンケル 市況関連株 四季報コメは絶好調!株価は2年で5倍とコメント通り。営業利益は16.3月期⇒20.3月期で10倍にまで拡大する見込み。増配もあり。ただ、このところの株価は冴えず、夏をピークに下げつつある状況。
4922 コーセー 市況関連株 こちらもファンケル同様絶好調!株価は3年で4倍。こちらはファンケルほど派手な動きではないものの、大きく上昇。ただし株価的にはこちらも6月をピークに下げ一途。しばらくはじっと我慢の状況。今からは厳しい。
4924 シーズHLDG 市況関連株 化粧品業界はどこも調子がいい。売上、利益とも順調に推移している。こちらも、夏以降下げる一方。落ちるナイフには手を出さない方が。
そのほか、4925 ハーバー研究所、4927 ポーラ・オルビスHLDG、4928 ノエビアHLDGも似たような状況。夏以降は下がる一方。メイクが落ちてきたか・・・。
4966 上村工業 市況関連株 メッキ用薬品国内首位。営業利益率17.3%は優秀。売上高の半分以上が海外で、タイの工場を拡張中。株価的には足元で下げているが、PERが11倍程度なので、まだまだ割安感はある。知名度が低いから、人気になることがないのかもしれない。
4967 小林製薬 市況関連株 家庭用の芳香剤や、消臭剤などでおなじみ。売上、利益とも順調に伸びており、好調。7月末に出した中間決算が期待外れだったのか、それ以降株価は下げ基調。PER的にはもう30倍以上なので、現状の水準でもやや割高。
4971 メック 市況関連株 電子基板向け薬品会社。車載品、ディスプレー向けなどいずれもよく最高益へ。営業利益が20%もあり、儲かり体質といえる。
4973 日本高純度化学 市況関連株 電子部品の接続部分に使われる貴金属メッキの企業。ここは一株当たり利益の半分を配当に回しており、今期の配当は一株当たり80円。配当利回り3.4%と高い。また、営業利益率も10%あり十分。5G関連企業でもある。
4975 JCU 市況関連株 メッキ薬品大手で、自動車、電子部品向けに強い。売り上げの70%が海外と、ほぼ海外企業と化している。営業利益率30%と非常に高い。また、PERは13倍とまだ低いが、既に株価は2年で4倍にもなっている。さらに上がるか?増配も続く。
4980 デクセリアルズ 市況関連株 ニッチな電子部品ばっかり作っている会社。配当利回りがよく、3.8%もある。営業利益率も10%予想で優秀。株価はまだ上がりきっていない。ここも5G銘柄扱いされている。
まとめ
今回は前半サービス系企業、後半化学系企業(化粧品、電子部品など)を見てきました。だんだん四季報をみるにつれて、見る目が肥えてきたのか、あまりピックアップできる企業もなくなってきました。というか、化学系は全部市況関連株(契機による変動がでかい)なので、今はいいけど、ちょっとでも景気が後退し始めると一気に苦しくなる・・・と思いなかなか投資を検討する気になれません。
実際、今年の夏以降化粧品関係はガクッと下げており、何かの予兆か?と思わざるを得ません。
不安になったところで、次回は・・・石油、石炭、ゴム、ガラス関係の会社を見ていきます。化学系はニッチ系な会社があったりしましたが、果たしてそんな面白い企業はあるのか!?
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