四季報2018秋全部読む!前回は、4004 昭和電工から4275 カーリットHLDGまで、化学系企業を見ていきました。
今回は再び情報・通信系の企業と少しの化学企業を見ていきます。今回見ていくのは、同じ情報通信でも、2001~02年ごろに上場した、IT企業としては老舗の分類にはいる会社が多いです。
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~ここまでの投稿~
ピックアップ基準(これらのうち複数を満たす企業を中心にピックアップします)
・同業他社と比較してPER、PBRが低いこと
・財務が堅実であること(自己資本比率50%以上、ネットキャッシュ豊富)
・営業利益率が同業他社と比べて高い(できれば10%以上)
・売上高成長率が高く、かつ営業利益の伸びを伴っている
・業務内容などに何らかの個性が感じられる(業界初、唯一の企業)
・その他時事ネタ
あと、業界のベンチマークとして、大手企業を見ることがあります。
特に気になる企業は文字を赤くします。また、企業の特徴に応じて急成長株、市況関連株などの分類を行っていきます。
また、好材料は赤い文字、悪材料は青い文字で書きます。強い材料あれば太字にします。
4282 EPSホールディングス ~ 4356 応用技術【情報・通信/サービス】
4282 EPSホールディングス 市況関連株 医薬品の治験や販売の支援を行う会社。創業者は中国人の厳浩氏(※てっきり日本人で、いつき ひろしと読むんだと・・・)
年10%~程度の割合で売上・利益とも上昇傾向だが、18.9月期は減益。ただ、採算自体は改善。
4286 レッグス 市況関連株 飲料、食品、流通関連のマーケティングを支援。無借金経営。売上、利益ともさほどではないが、株価の伸びがよい。
4290 プレステージ・インターナショナル 市況関連株 BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の会社。自動車、金融、不動産部門が中心。最高益を更新し、このところ好調。営業利益率12.7%(18.3月期)と高い。株価の動きは夏以降さえないがまだ上昇トレンドの範囲内。財務的にも自己資本比率高い。
4291 JIEC 低成長株 保険、銀行などに強いシステム会社。時価総額133億円に対して、ネットキャッシュが88億円近く。営業利益率は10%にはやや足りない。
4299 ハイマックス 低成長株 独立系SIer。株価が5年間で2.5倍に。今はやりのRPA(業務自動化)にも進出。先行投資が苦しいが、そんななかでも増益、増配。地味だけど堅実。PERは上昇してなお13倍と、上げ余地はまだまだ。
4307 野村総合研究所 優良株 野村証券系SIer。営業利益率良い(13.8%)。営業CFマージン15%超え。安定成長。チャートの動きもよい。優良株といってよいのでは。ただしPERが25倍とやや高い。もうこれ以上の上げは厳しい?
4321 ケネディクス 市況関連株 不動産ファンド会社では国内最大級。売上高が17.12月期⇒18.12月期予想で2倍以上になっているが、これは会計処理の変更によるもの。単純比較はできない。ただ、純利益で見ると2013年以降ずっと増益。
4324 電通 市況関連株 例の事件以降株価はずっとダウントレンド。日本人特有の「穢れ」思考のせいか。業績だけ見れば、売上・利益とも5年で1.4倍程度とこの規模の企業にしては大きく伸びているし、同業の博報堂より採算もいい。事件の教訓となった「働き方改革」は意思決定の迅速化という副産物を生むか?営業CFマージン15%以上。
4344 ソースネクスト 業績回復株 パソコン用の低価格ソフト(かつてよく信長の野望の廉価版でお世話になった)の販売業者。リーマンショック、震災を挟んで売上、利益ともに急落するという状態から見事に回復した。最近では自動翻訳機がヒット。2年後の20.3月の予想では18.3月期の倍以上の増収増益となる見通し。2017年から既に株価は5倍以上。8月以降もう一段上げ・・・もうここからは乗れないかも。
もう上げはないかと思ったら、8月末からさらにもう一段ドン!と上げた。
4345 シーティーエス 急成長株 建設ICTの企業。増配も利益が増える度行われている。ただし株価は今年前半の1260円をピークに下げ続け、現在734円まで下落。決算が今月末予定だが、これを受けてどこまで戻るのか。
4348 インフォコム 市況関連株 電子コミック業界首位級。海賊版サイトの規制が追い風となり、大幅に利益を伸ばす。もう一本の柱であるITサービスも医療機関向けシステムの案件が増え好調。売上、営業利益とも順調に上昇。チャートも15年から長い上昇トレンドが続いている。財務もよく有利子負債ない。
長い上昇カーブ。アメリカの優良企業のそれのようである・・・。
4361 川口化学工業~4369 トリケミカル研究所 【化学】
4365 松本油脂製薬 資産株 界面活性剤の総合メーカー。業績は横ばいだが、ネットキャッシュが330億円以上ある。自己資本比率80%以上。また、営業利益率も16%と高い。
4369 トリケミカル研究所 市況関連株 半導体、太陽電池の製造に必要な材料を製造。14.1月期実績 売上 33.6億、営利0.5億⇒18.1月期実績 売上 64.4億、営利16億というように、利益率の伸びが半端ない。ただし、さらに以前の業績を追っていくと、震災後の特需に押された2012年1月期をピークに、そこからガクッと下落しており、実はこの数年の利益の伸びは成長ではなく、回復だったということがわかる。それでも、太陽光特需の頃よりはるかに株価が高い。全体の地合いの大切さがわかる。
5年チャート。どうみてもテンバガーです。本当にありがとうございました。
まとめ
今回は、上場してから時間の経過した老舗IT企業を中心に見てきました。こうした企業で未だ生き残っているところって、ソースネクストやインフォコムのようにしぶといですね・・・。
次回は私の好きな上場したての企業が17社も立て続けに出てくるので、これだけで一記事独立して書きます。
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