四季報2018秋全部読む! 第4回 儲かりまへんなぁ食品業界

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前回からいよいよ四季報本編に突入しました。前回はトップバッターの1301 極洋から、建設企業だらけの1700~1900番代を抜けて、1999 サイタHDまで見てきました。

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~過去の投稿~

第3回「分け入っても分け入っても建設株」

第2回「強い企業はどこだ?」

第1回「巻頭特集でお腹いっぱい」

さて今回はいよいよ2001 日本製粉から見ていきたいと思います。

軸がぶれるとまずいので、ピックアップする基準を再度書きます。

・同業他社と比較してPERまたはPBRが低いこと

・ネットキャッシュが多いこと(時価総額よりおおきければ尚よし)

・営業利益率が同業他社と比べて高い(できれば10%)

・売上高成長率が高く、かつ営業利益の伸びを伴っている

・その他時事ネタ

あと、業界のベンチマークとして、大手企業を見ることがあります。
特に気になる企業は文字を赤くします。

2001 日本製粉~ 2117 日新製糖【食料品】

2001 日本製粉 製粉業界最古参で第2位なのに営業利益率が3%ちょっと。もしかして食品業界って建設以上に厳しいのか!?ただし四季報コメントは【最高益圏】【積極投資】と景気のいい文言が並んでいる。PER的には16倍とさして割安圏にもない。
2002 日清製粉G こちらは製粉最大手。ここでようやく営業利益率5%。厳しい。PERも30倍近く、割高。ただ業績自体は好調で増配も続いている。
2003 日東富士製粉 製粉準大手。ここは利益率が6%近い。四季報編集部も会社予想より高い利益を予想。大手二社と違いPER10倍に放置されており割安圏。製粉ならこの会社か。

食品系の利益率の低さ・・・。

2055 日和産業 飼料中堅。営業利益率が2%ない苦しい状況も、ネットキャッシュ(58.7億円)が時価総額(61億)とほぼ同額でキャッシュリッチな企業。PBR0.3倍と割安。
2109 三井製糖 製糖最大手。スプーン印でおなじみ。営業利益率は5%程度だが、営業外のロイヤルティ収入が大きく、経常利益率は10%となる。ただしこのロイヤルティは来年8月まで。配当利回り3.6%と高い。

2120 LIFULL~2198 アイ・ケイ・ケイ【サービス(一部 情報通信・医薬品あり)】

ここまで見てきた建設、食品とはうって変わって、カタカナやローマ字の社名が並んで一気に雰囲気変わります。この次も情報・通信だししばらくチャラい感じを楽しむことに。

2121 ミクシィ 出ました!営業利益率(18.3)38%!これだよこれ!しかし、来期以降モンストの勢いが落ち、かなり厳しい予想。ただし、予想PERは利益が下がっても7倍とまだ割安水準。ネットキャッシュに至っては1,561億と財務的にはめちゃくちゃ余裕あり。時価総額が2,188億円なので、株価が2000円を切ってくるようなら買い。
2124 JAC Recruitment 縦書きの四季報には辛い横書き社名。13.12月期からずーっと右肩上がりと気持ちの良い上昇カーブ。営業利益率も高いが、来期以降は低下傾向。
2127 日本M&Aセンター 最近話題の事業承継案件を数多く手がけ、中小企業M&Aの最大手。これからの時代にあった企業。利益率も高く営業利益率47%!ただPER50倍は買われ過ぎかな。
2153 E・Jホールディングス PER、PBRともに割安。防災案件を多く扱う企業であり、タイムリーか。
2156 セーラー広告 時価総額が小さく(20億円)、よくストップ高になる。業績や財務には見るべきものなし。
2157 コシダカHD まねきねことカーブスって同じ会社だったのね。業績的には絶好調。利益率も上昇!チャート的にも上昇傾向。
2164 地域新聞社 このところとんでもない上げが続いている地域新聞社。四季報締め切り(8/27)時点で525円だった株価も、9/21時点で1687円と3倍超。今から入るのは超危険。
2169 CDS 配当利回り高い。サービス系企業には珍しくPERが低い(13倍)。配当利回りも3%と高いので、割安か。
2175 エス・エム・エス 年10%以上のスピードで売上高が伸びている成長企業。株価の上げ方もキレイだが、PER40倍台で割高。
2185 シイエム・シイ PER10倍台前半。売上高利益ともに順調。財務的にもよい。連続最高益。

見てきた中で気になるのは2157 コシダカHD。建設や食品と違い、絶好調企業と、絶不調企業の差が激しいですね。また、ひところ絶好調だった 2193 クックパッドも、来期以降急速に右肩下がりとなっており、水物だなぁと感じます。

2201 森永製菓~2296 伊藤ハム米久HD【食料品その②】

再び食料品。製粉など原料系の多いその①と違い、森永や明治、ヤクルトなどおなじみの企業がたくさん出てきて、楽しいところ。それではまず業界の基準となる大手から見てみましょう。

2201 森永製菓 堅く増益。製糖などの原料系と違って、製品として付加価値が付いている分だけ、営業利益率が10%近くと高い。PERも16倍と微妙。本当に堅いなという印象。
2206 江崎グリコ こちらも大手だが、あまり調子が良くない。利益率も低く(5~6%)、ネットキャッシュは600億円以上もっているが、却って「資産を有効活用してないのでは」と思ってしまう。森永より大きい分、フットワークが重い?

このゾーンはブルボンとか、井村屋とか想像しただけで食べたくなる企業が多い。井村屋のやわもちアイス食べたい・・・(妻が買ってくれないので食べられない)。ただし株としてはあまり食指が動きませんでした。

2211 不二家 17年12月期に190億円というものすごい不動産売却特益あり。これで特配ないとか株主は何をやっているのか。
2212 山崎製パン ↑の筆頭株主がこの会社。まあ配当は要求せんわな。
2220 亀田製菓 売上、利益共順調、それより非常食の尾西食品が傘下にいることに驚き。今年は災害が相次いだので、テーマ株としてみるなら。
2222 寿スピリッツ 菓子大手。同業他社より利益率が高い。しかしPER40倍と割高。もうちょっと落ちてくれば。
2269 明治HD おなじみ明治。利益率まあまあ。旧化血研の承継会社を傘下に収めた(四季報には織り込まず)。旧化血研の売上高は約450億円(不祥事発覚前)で、明治HD全体の売上高が1兆2000億円以上だからインパクトは小さい。
2294 柿安本店 利益率6%と食品としては高め。18年初にかけ急速に株価が上昇も戻りつつある。PERは10倍台前半。ネットキャッシュ67億円、時価総額300億円ちょい。

食品はどこもかしこも儲かりまへんなあ・・・。最高益なはずのプリマハムも営業利益率3%台。うーん。森永製菓も3~4%だし。

 

あんまり見れてませんが、文字数的に結構増えてきたので、この辺で。

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