四季報2018秋全部読む! 第26回 UACJってアメリカの大学かな?

スポンサードリンク
アーカイブ

四季報2018秋全部読む!前回から鉄鋼系企業を見ています。粗鋼から、特殊鋼、鋼管、鋼板・・・一口に鉄鋼といってもいろいろあるんだなぁ~とまるで誌上工場見学したような気分ですが、今回も、鉄鋼株の続き、5602 栗本鐵工所からとなります。ここは鋳物の会社ですね。

なお、このところの下落で、四季報掲載時からチャートの形がかなり変わっちゃった企業も多いので、できるだけチャート載せます。

 

記事の更新ペースが遅くて、このままじゃ次号出ちゃうよと、そう思う方は↓のリンクから四季報秋号をチェックして自分だけの企業を探してみてください。

 

[amazonjs asin=”B07D55HVVB” locale=”JP” tmpl=”Small” title=”会社四季報 2018年4集秋号 雑誌”]

 

~ここまでの投稿~

第25回「溶かして固めてくっつけて」
第24回「ベントナイトって何かゲームに出てきそうな」
第23回「セラミックセラミック」
第22回「激熱!カーボン企業!」
第21回「切れるな伸びろ!ゴム企業!」
第11~20回まとめ 第1~10回まとめ

番外編①「あの不動産企業は今」
番外編②「ピーター・リンチの株式分類法とは?(前編)」  ③「同(後編)」

 

ピックアップ基準(これらのうち複数を満たす企業を中心にピックアップします)

・同業他社と比較してPER、PBRが低いこと
・財務が堅実であること(自己資本比率50%以上、ネットキャッシュ豊富)
・営業利益率が同業他社と比べて高い(できれば10%以上)
・売上高成長率が高く、かつ営業利益の伸びを伴っている
・業務内容などに何らかの個性が感じられる(業界初、唯一の企業)
その他時事ネタ

あと、業界のベンチマークとして、大手企業を見ることがあります。
特に気になる企業は文字を赤くします。また、企業の特徴に応じて急成長株、市況関連株などの分類を行っていきます。

また、好材料は赤い文字、悪材料は青い文字で書きます。強い材料あれば太字にします。

 

5602 栗本鐵工所 ~ 5699 イボキン【鉄鋼(後半)】

5614 川金HLDG 市況関連株(時事ネタ) KYBに続いて免震機構の検査データ不正が発覚。関東を中心に全国26都道府県に顧客との契約とは異なる基準の製品を納入したということで、この問題が発覚した23日以降は下げ一方。こういう事故銘柄は、タカタみたいに破綻してしまうと終わりだが、ある種の「業績回復株」として、ウォッチングしていく手もあり。実際、川金の納入した製品は、国基準自体には適合しており、致命的かといわれると微妙。

 

5631 日本製鋼所 市況関連株 火力・原子力向け鋳鍛鋼で大手。16.3,17.3と2期続いた赤字から回復。営業利益率10%まで上昇し、当面は好調。さらに19.3月期には固定資産売却特益もあり純益は185億円予想。悪い状況ではないのに下げ止まらない。PER的にも割安のはずだが・・・。

 

5659 日本精線 市況関連株 ステンレス線2次加工で首位。現状最高益だが、さらに能力を増強しようとしている。このところの下落で配当利回り4%を超えてしまった。10/29発表の中間決算はほぼほぼ予想通り。それでも下げが止まらない・・・。

 

5695 パウダーテック 市況関連株 コピー機のキャリアのシェア7割。コピー機のキャリアがなにかわからなかったが、これのこと。我々が知らず知らずのうちにお世話になっている会社。営業利益率16.5%はニッチ企業の特権。株価はひどい状況。7月以降週足で陰線しかない。今週ようやく陽線引け?配当利回り3%越え。

 

 

5702 大紀アルミニウム工業所 ~5781 東邦金属【非鉄金属】

非鉄金属大手四社比べてみた

毎度恒例となりました、業界大手を比べてみた、今回は非鉄金属大手の、5706 三井金属5711 三菱マテリアル5713 住友金属鉱山5714 DOWA ホールディングスを比べてみます。

いずれも大手で、かつ旧財閥系(DOWAは違うか?)だったので、四社をまとめちゃいましたが、実際はかなり業容が違います。三菱マテリアルセメント加工電子材料の四本柱。住友金属鉱山は、資源開発に注力し、三井金属自動車電子材料など川下分野中心。そしてDOWAはいわゆる「都市鉱山」である貴金属の回収に強みを持っています。

一番採算性が高いのが住友金属鉱山で、さすが日本唯一、金山を持つ企業だけのことはあります。三井金属は亜鉛の市況悪化で18.3月期は赤字ですが、一時的なもので、19.3月期以降黒字に復帰できる見通しです。また、DOWAは10/29に業績予想を下方修正しています。

四社の二年チャートを比べてみましょう。ベンチマークとして日経平均も比較します。

青が三井金属赤が三菱マテリアル緑が住友金属鉱山黄色がDOWA黒が日経平均です。

三井金属、住友金属鉱山の勢いがよかったのですが、今年に入ってからはじり貧傾向、結局日経平均とほぼ同水準におちついてしまいました。また、三菱、DOWAに至っては今年以降はずっと日経を下回ったままとなっています。

四社の今後の見通しですが、三井は世界首位級の極薄銅箔で勝負、三菱は銅、電子、アルミの3部門を統合。子会社のデータ改ざん問題発覚で対応を迫られています。住友は、ポゴ金鉱山を売却して、カナダのコテ金鉱山を開発中。DOWAは中国江蘇省に工場を新設、銀や鉛の取れるロス・ガトス鉱山も開発予定です。

 

5703 日本軽金属HLDG 市況関連株 アルミ総合メーカー。国内の工場から完全撤退して、生産の軸足は完全に海外へ。今季最高益達成し、来期以降も更新見込み。2年の安値を割ってしまい、長い下落トレンドがさらに続くことが確定してしまったチャートをしている。そのかわり、配当利回りは3.3%を超えている。

 

5707 東邦亜鉛 市況関連株 亜鉛・鉛の精錬大手。電子部品部門も。自社鉱山で鉛を採掘しているものの、採れる鉛の品質が悪化、鉛価格も下落で苦しい。10/23発表の業績予想は大幅に下方修正され、19.3月期は赤字転落が避けられない見通しとなった。この発表を受けて株価は急落。3700円台での推移となっている。

 

5715 古河機械金属 市況関連株 土木鉱山用機械と銅精錬の会社。16.3月期以降減益傾向。機械も精錬もイマイチな感じ。来期以降の展望も厳しい。株価は1500円を割り込んでなおも下落傾向。このままいくと配当利回りは4%行ってしまう。

 

5727 東邦チタニウム 市況関連株 JXTG系のチタン大手。営業利益率10%超え。業績は堅調に推移、サウジアラビアの工場は10月から生産開始。さらなる新工場も検討中だとか。チャートは1000~1500円のレンジで推移中。1000円切ったら本格的にまずい。

 

5741 UACJ 市況関連株 アルミ圧延で世界3位。最初見たときアメリカの大学名かと思ったが、会社名はUnited Aluminum Company of Japan の略。2013年に古河スカイと住友軽金属が合併して誕生。アルミは缶と、自動車、半導体向け。売上、収益は順調に伸びている。値動きはだんだんと段を降りるような動きをしている。ただ、下値は切り上げていて、これから戻ってくる?という期待を持たせる感じ。

 

まとめ

今回は鉄鋼株と、非鉄金属を見てきました。いずれも鉄とか銅、亜鉛やアルミの市況がちゃんとわかっていないとつらいところです。ただ、全体的に下げ過ぎじゃないかとも思いますし、配当利回りも上げてきているんで、配当目当てで買ってみてもいいかもしれません。

次回は、非鉄金属の後半からスタートです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました