四季報2018秋全部読む! 第12回 きれいなチャートと10倍株

四季報2018秋全部読む!前回は、3622 ネットイヤーグループから3858 ユビキタスAIコーポレーションまで見てきました。多かった・・・。

今回は一転して製紙業界からのスタート。3861 王子HLDGからのスタートです・・・が、3900 クラウドワークスからは再び情報・通信に戻ります。IT企業って多いんだなぁ。

 

 

~ここまでの投稿~

第11回「コーエーの野望」

第1回~第10回まとめ

番外編「あの不動産企業は今」

番外編②「ピーターリンチの株式分類法とは? 前編」

 

ピックアップ基準(これらのうち複数を満たす企業を中心にピックアップします)

・同業他社と比較してPER、PBRが低いこと

・財務が堅実であること(自己資本比率50%以上、ネットキャッシュ豊富)

・営業利益率が同業他社と比べて高い(できれば10%以上)

・売上高成長率が高く、かつ営業利益の伸びを伴っている

・業務内容などに何らかの個性が感じられる(業界初、唯一の企業)

・その他時事ネタ

あと、業界のベンチマークとして、大手企業を見ることがあります。
特に気になる企業は文字を赤くします。また、企業の特徴に応じて急成長株、市況関連株などの分類を行っていきます。

また、好材料は赤い文字、悪材料は青い文字で書きます。強い材料あれば太字にします。

 

3861 王子HLDG~3896 阿波製紙【紙・パルプ】
製紙大手四社比較

製紙業界では、首位の王子HLDG、2位日本製紙、4位の大王製紙、そしてあまりなじみはありませんが段ボール中心の3位レンゴーを加えて、大手四社を形成しています。

というわけでこの四社の業績を比較してみました。

営業利益率では圧倒的に首位の王子HLDGが優位に立っており、19.3月期の業績予想では、同社は500億円の純利益を見込むのに対し、2位の日本製紙は工場の再編費用がかさみ約180億円の最終赤字となることが予想されています。この四社でやや毛色の異なるレンゴーは、王子HLDGに次ぐ利益率です。

このままだと王子HLDGの圧勝で終わるんですが、(10/9)現在の予想PERをみると、王子HLDGが16.77倍、日本製紙は—(赤字予想)、レンゴー11.77倍、大王製紙22.94倍と、レンゴーが最も割安で、上昇余地を残していることがわかります。私も恥ずかしながらレンゴーという会社は初めて知りました。

こうやって無名な大企業が割安なまま放置されているわけで、レンゴーはねらい目かもしれません。

 

3891 ニッポン高度紙工業 市況関連株 電気絶縁用の特殊な用紙を作る企業で、そんな特殊な業界にライバルがいるはずもなく、アルミ電解コンデンサー用は世界シェア6割だそうで。こういうニッチな会社がひっそりと利益を上げているわけです。このところ増益及び営業利益率の改善を続けており、今後はコンスタントに10%を超えて推移していくと予想されている。

3892 岡山製紙 資産株 名前の通り中国地方の製紙会社。業績は大したことないですが、時価総額45億円でネットキャッシュ29億円。PBRも0.5倍と割安水準。

やはりあまりいい企業がない。

 

3900 クラウドワークス~3940 ノムラシステムコーポレーション【情報・通信】

またも情報・通信ご一行様です。この3900番台は、IT⇒製紙⇒IT⇒製紙と、まるで新旧を対比させるような並びになっています。正直製紙が邪魔してる気が・・・。

このセクションは新たに上場した企業ばかりなので、「急成長株」しかピックしません。つまりは・・・

・売上、利益の2期前実績⇒2期後予想値が少なくとも2倍になっていること
(例:16年3月期売上10億、利益3億⇒20年3月期売上予想20億、利益6億・・・みたいな感じが最低ライン

・営業利益率最低10%以上

以上の2条件に当てはまり、さらにチャートの上昇の形がきれいな企業だけをチョイスします。

3901 マークラインズ 急成長株or市況関連株(自動車) 自動車産業に特化したweb情報サービス。自動車業界向けの求人や広告、業績予測を行っている企業。有利子負債なし。今後は海外展開も。ただ自動車産業頼みなのが不安。PERは 43.5倍と高い。時価総額233億円。
15.12月期実績 売上12.3億 営利4.1億(営利率33%)⇒19.12月期予想 売上25.5億 営利9.5億(営利率37%)

同社の2年チャート。例によって赤は日経平均。圧倒的にアウトパフォーム。

3902 メディカル・データ・ビジョン 急成長株 医療機関、製薬向けにデータネットワークを提供する企業。かつて業績は横ばいだったものの、ここ数年で急速に売上、利益が成長している。ただしPERは149倍と超過熱水準。時価総額は既に707億円にまで達している。チャートは今年前半に一波乱あったものの、おおむねきれいな上昇カーブを描き続けている。
15.12月期実績 売上24.1億 営利2.8億(営利率11.6%)⇒19.12月期予想 売上65億 営利11億(営利率17%)

同社の2年チャート。上場直後こそ苦しい展開だったが、2017年中盤に大きな上げを見せた。同年後半は再び下げるも、2018年2月ごろから急上昇。その後調整を挟むも、上げ基調は継続中。

3922 PR TIMES 急成長株 プレスリリース配信サイト。金融機関や地方自治体との連携も進めている。確かに企業PRでここをよく見かける時価総額はまだ191億円と発展途上だが、PERは既に65倍まで上昇しており、この株価を正当化するには利益があと2~3倍必要か。
16.2月期実績 売上10.8億 営利1.8億(営利率16.6%)⇒20.2月期予想 売上25億 営利5.5億(営利率22%)

こちらは上げ一辺倒。ただし7月以降は一息か?2年間での上昇率300%以上は、上の2銘柄に勝っている。

 

3923 ラクス 急成長株 クラウドとIT人材派遣の会社。「楽楽清算」などのサービスが好調。価格的にはかなり過熱しており、PER119倍、時価総額1063億円。すでにテンバガー達成済。
16.3月期実績 売上40.7億 営利7.8億(営利率19.1%)⇒20.3月期予想 売上106億 営利18.4億(営利率17.3%)

美しい上昇。こちらも300%近い上昇率。

3925 ダブルスタンダード 急成長株 企業向けビッグデータの生成・提供を行う企業。四季報秋号発売時からすでに株価が500円も上昇している。営業利益率が非常に高く、今後も上昇予想。PERは68.8倍、時価総額375億円。高PER企業を見過ぎたせいか、60倍台でもまだ買いかなとか思ってしまう。
16.3月期実績 売上9.4億 営利2.5億(営利率26.5%)⇒20.3月期予想 売上30億 営利9.8億(営利率32.6%)

300%近い上昇率。

 

3926 オープンドア 急成長株 格安旅行商品を網羅した若い女性向けの比較サイト「トラベルコ」を運営している。大規模な広告宣伝が効き、認知度も向上。ここも営業利益率が非常に高い。3割超。業績は非常に素晴らしいが、既にPER115倍、時価総額907億円
16.3月期実績 売上24.7億 営利8.5億(営利率34.4%)⇒20.3月期予想 売上60億 営利20億(営利率33.3%)

少し地味だが、2年で200%の上昇は十分といってよい。直近ではやや調整が入っているが、上昇トレンドは崩していない。

 

まとめ

今回はピックアップすべき急成長株に字数を割きすぎたのでこの辺で締めます。今回紹介した銘柄の中では、「PR TIMES」「ダブルスタンダード」が利益率もよく、まだ上げ余地があると判断しました。よってこの2社についても今度また分析したいと思います。

以前廣瀬隆雄氏が「グロース株は、チャートの形が崩れてきたら即売り!」と語っていましたが、まさにその通り。いったん崩れたチャートはなかなか元には戻りません。ビットコインもそうですが、一度終わった上昇トレンドには、年単位の冷却期間が必要です。

その状態での保有は、資産価値が毀損していくだけでなく、時間の無駄でもあります。

そうした意味で、今回チョイスした銘柄は、まだ上昇トレンドにありますから、この勢いが続いているうちに投資してしまうのがいいでしょう。

次回は再び紙・パルプ業界を挟んでまたもIT業界が続きます。低PERでキャッシュリッチな典型的な資産株ぞろいの紙・パルプ業界と好対照なIT業界。両方組み合わせて持つと、面白いかもしれません。

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