失敗と成功の間で
私が初めての投資、ということで株を買ったのは15年前。就職を機に投資を始めようと、いろいろ勉強して株を購入した記憶がある。かなり昔のことなので、どんな銘柄だったかは忘れてしまったが、印象に残っているのは「疑義注記（継続企業の前提に関する注記）」が外れそうな銘柄を狙う手法。
このやり方で少し儲かった気もするが、この注記がついた企業は「詰み」の状態であることが多く、良い銘柄を見つけるのが難しく、結局この手法は辞めた。
その後、さまざまな投資を経験し、2013年にビットコインと出会い、投資の道が横にそれていく。ビットコインを含む暗号資産投資も含め、成功したパターンを再現し、失敗したパターンを避ければ、安定した成果を得られるはず。そう考えて、これまでの投資を振り返る。
今回は成功編をまとめるが、次は失敗編…かと思うと、少し憂鬱だ。
勝ちパターン①2012～2014年：RSI 9日手法で安定的勝利
2012年夏から始めた「RSI（9日）が低い銘柄を下から3つ買って2営業日保有する」手法で、かなりの利益を上げた。
手法の詳細は以下の通り（当時のメモをそのまま引用）。
RSI短期スイングトレードルール
- エントリー条件：
- 直近25日間の平均売買代金が10億円以上かつ、終値が100円以上の銘柄。
- その中から、9日RSI値が低い順に3銘柄を翌日の寄り付きで成行買い。
- 手仕舞い条件：
- エントリーから2営業日後の寄り付きで成行売り。
- 対象市場(当時)：
- 東証1部・2部、大証、ジャスダック、マザーズ。
当時、あるウェブサイトでスクリーニングをかけ、表示された銘柄をそのまま買う手法を試していた。アベノミクス相場の追い風もあり、かなり良い成績を上げていた。
ところが、2013年5月に愛用していた「株マップ」（みずほ証券が提供していたサイト）が突然終了。9日RSIでスクリーニングできるサイトが当時見つからず、有料ソフトでなんとか継続した記憶がある。
2014年に入ると成績が急落。データを見返すと、この手法の逆（空売り）に挑戦して大損した形跡があった。確か他の投資に資金を回す必要が出て、この手法を辞めた。
この手法の魅力
この手法は気に入って2年ほど続けた。最大の魅力は「毎日やることがある」点。じっと待つのが苦手な性格なので、常に動けるのが自分に合っていた。株式市場は土日が休みなので、休みたいときに休めるのも良かった。損切りや利確のタイミングが決まっているため、精神的なストレスがほぼなかったのも大きな利点だ。
勝ちパターン②2016～2018年：モナコインの急騰とHODL
2017年当時、資金のほとんどを仮想通貨に投じていた。ビットコインやイーサリアムといったメジャーなコイン、ICOで買ったまま放置していたトークンなど、さまざまな銘柄を持っていた。一方で、スキャムと呼ばれる詐欺銘柄につかまることも多く、時流に乗れず価値がほぼなくなった銘柄もいくつか買ってしまっていた。
そんな中で注目したのがモナコイン。2014年に誕生した日本発のコインで、当時は1枚数円と安価で大量に購入できた。2016年まで価格は下がり続け、買い増すたびに含み損が膨らんだ。単価の安いコインを大量に買うのは、自分の投資スタイルだった。
転機は2017年10月。それまでモナコインを扱っていた国内取引所はZaifだけだったが、ビットフライヤーでの取り扱いが始まった。このニュースで価格は一気に数百円に急騰し、年末には1MONA＝2000円以上で取引されるまでに至った。
ただ、税金の支払いを気にして、このタイミングで利確できず、利益を大きく減らしてしまった。この投資を完全な「勝ちパターン」と呼べるかは微妙だが、目利きが当たっていた点では十分「勝っていた」と言えるだろう。
この投資のどこが自分にとってよかったか
RSI手法とは対照的に、何もしなくて済むのが楽だった。2016～2018年は仕事やプライベートが忙しく、投資以外に意識が向いていた時期。買って放置するだけで済むのは自分に合っていた。価格が急上昇する中、資産が増えていくのを見るのは幸せな体験だった。
まとめ
振り返ると、２つの成功パターンは「ルールに従って毎日動く」「買って放置する」という両極端な特徴を持っていた。正直、傾向がバラバラで頭を抱えてしまった。
あえて共通点を挙げるなら、「冷静に投資できていた」ことだろう。RSI手法ではルール通りに淡々と取引し、モナコインでは欲に流されず持ち続けた。
次回振り返る失敗パターンでは、冷静さを完全に欠き、狂っていく私が見られると思うのでお楽しみに。
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