四季報2020夏号全部読む! 第29回 セルソースは時価総額1000億円になりそーす?

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安倍総理の後任は菅官房長官で決まり、ですかねえ……そんな四季報夏号全部読む!前回記事では、4490 ビザスクについてチェックしてみました。スポットコンサルという珍しい業態なのは面白いですが、割高でかつ株価が下落トレンド入りしつつあることから、一旦保留とします。

さて、今回注目する企業は4880 セルソースです。再生医療から化粧品まで、バイオ分野を幅広くとりあつかう企業です。

(前回記事:第28回 ビザスクのアドバイザーに話を聞けばすっきり胸が空く?

前号(2020年第2集 春号)まとめはこちら!
四季報2020 春号全部読む!第1回~第10回まとめ
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4880 セルソースの概要

セルソースの設立は2015年、マザーズ上場が2019年と、なんと設立わずか4年で上場にこぎつけたことになります。なお、創業者・筆頭株主の山川雅之氏は既に社長を退き、共同創業者で第2位株主の裙本 理人(つまもと まさと)氏が社長を引き継いでいます。

同社の事業構成は、①再生医療を提供する医療機関への細胞・組織加工サービスや、②再生医療に取り組む医療機関へのコンサルサービス、③医療機器の販売などから構成される「再生医療関連事業」と、一般消費者に向けて化粧品等を販売する「コンシューマー事業」の二本柱となっています。売上割合的には、再生医療向けが3/4、コンシューマー向けが1/4となります。

競合企業ですが、裙本社長が胸を張る通り「競合はない!」ということです。ただ、同じ再生医療をテーマとした企業で、セルソースと同年上場のステムリムがあります。あくまで医療機関向けという形で間接的に再生医療と関わるセルソースに対して、ステムリムは自ら再生医療の技術を使った新薬を開発しています。

セルソースの業績は?

それでは、セルソースのここ数年の業績と、今期の予想を見てみましょう。

直近では6/12に’20.10月期 第2四半期の決算が発表されています(決算短信 決算資料)。再生医療関連事業は年間50%以上の増収を達成している一方で、コンシューマー向けは、販路が限られている(一部のドラッグストアやECでのみ販売)せいもあってかやや伸び悩んでいる状況です。ただ、上期終了時点で前年比46%増益と大変な好決算となりました。

ベンチャーキャピタルが成長企業の業績と成長力を見るときに使うという「40%ルール」で見てみると、’19.10月期⇒’20.10月期の予想増収率が22.4%、’20.10月期の予想営業利益率が18.5%なので、足して40.9%ぎりぎり達成しています。

セルソースの株価は?

セルソースは、3月のコロナ安値から4月にかけて順調に回復したのですが、5月は決算前という事もあってあまり買われていませんでした。しかし6月の上期決算発表を機に、大きく上昇を始め、その後も特にこれといった大きな材料もないまま、市場の好調さに支えられ、今日も8%以上の大きな上昇を見せました。このままいけば、7月の上場来高値を超えるかもしれません。

PERは200倍と割高水準ですが、1000倍越えの企業もざらにある中で、まだマシと言わざるを得ません。

総評:株価はまだまだ発展途上・・・?⇒OK

セルソースは、再生医療の技術を直接的に利用するのではなく、医療機関むけコンサルや、実験用の細胞や組織の提供、医療機器の販売といった、間接的な分野で支えていく企業です。一方で、コンシューマー向け事業は伸び悩みという印象を持ちました。

私が言う事でもないですが、この際コンシューマー向けは潔く切り捨て、再生医療分野に集中していく方がいいように思います……。

ただ、時価総額を見た時に、この手のバイオ系企業にありがちな数千億円という異常な金額にまでは至っておらず(約500億円)、まだ発展の余地はあるのかなと感じました。

さて、次回ですが、6035 アイ・アールジャパンHLDGSを取り上げます。企業のIR(投資家向け情報)コンサルに絞った特殊な業態です。

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