四季報2020夏号全部読む! 第19回 ラクスはクラウドサービスで他社を喰らうど?

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暑すぎ無理……そんな四季報夏号全部読む!前回記事では、3697 SHIFTについてチェックしてみました。M&Aと本業の需要掘り起こしという積極的な拡大路線が素晴らしいと思いますが、現状の株価があまりに割高で、投資をためらわせます。来期の予想業績がどれくらいになるかがポイントだと思っていますが……。

さて、今回注目する企業は3923ラクスです。中小企業向けのクラウドサービスを提供する企業です。

(前回記事:第18回 SHIFTはソフトウェアテストのリーディングカンパニーですと?

前号(2020年第2集 春号)まとめはこちら!
四季報2020 春号全部読む!第1回~第10回まとめ
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3923 ラクスの概要

ラクスは2000年に中村 崇則氏(現・社長)によって創業され、当初はITエンジニア向けのスクール事業などを行っていましたが、ほどなくしてクラウドサービス事業とIT人材派遣事業が同社の中核事業となりました。

クラウドサービス事業の主な内容としては、経費精算の「楽々精算」や、メールサービス「メールディーラー」等の業務系サービスとなっています。事業の構成としては、約8割がクラウドサービス事業、残り2割がIT人材派遣事業となっています。

経費精算やメールなどの業務系サービスはかなり競合が多く、有名どころだけでもサイボウズフリーマネーフォワード等があります。特にフリーは主な顧客が中小企業ということでラクスと丸かぶりしています。

ラクスの業績は?

それでは、ラクスのここ数年の業績と、今期の予想を見てみましょう。

直近’20年3月期決算短信はこちら、決算説明資料はこちら

売上高は毎年20~30%成長しています。直近’20.3月期は営業利益が落ち込んでしまっていますが、これは人件費、広告宣伝費を集中投下したことによるものです。今期の利益回収フェーズということで、前期の3倍近い営業利益が予想されています。

営業利益率は大幅に向上する見通しで、前述の競合企業のフリーや、マネーフォワードが赤字を出し続けているのとは様子が大きく異なります。

ラクスの株価は?

ラクスの株価推移です。5月に一気に2000円を抜けましたが、その後7月にかけて軟調な値動き。しかし、7/14に今期の予想業績が発表されると大きく窓を開けて上昇トレンドに復帰し、再び強い動きになりつつあります。

PERは96.4倍と一見割高ですが、急成長株独自の指標である「PEGレシオ」を計算すると、

96.4倍/212(今期の利益成長率212%より)≒0.45

となります。一般的にPEGレシオは1を切ると割安ですから、実はまだまだ割安水準?と言えるかもしれません。少なくともここから2倍になってもおかしくはない水準です。

総評:競合先との競争は厳しいが、成長力は高い⇒OK

ラクスの主力である経費精算やグループウェアなどのクラウドサービスは、競合企業が非常に多く、結局は価格勝負や広告宣伝費などに終始して儲からなくなっていくのでは?ということが頭によぎりますが、今期の予想業績を見る限りでは当面その心配はなさそうです。(予想通りに行けばの話ですが)

ちょうど今期第1四半期の決算が8/13に迫っていますから、この決算次第では投資したらいいかもしれません。

さて、次回は3962 チェンジです。ビッグデータやクラウド、ふるさと納税など流行のキーワード(ちょっと古い?)がたくさん出てくる企業です。

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