やっぱり平和が大事や……そんな四季報夏号全部読む!前回記事では、3678 メディアドゥについてチェックしてみました。株価の推移も、売上高の成長も文句なし。ただ、営業利益率が微妙だなあという感じ。ただ、電子書籍業界の最大手で、業界全体としてのパイの拡大が見込めることから、投資について前向きに考えたいと思います。
さて、今回注目する企業は3694 オプティムです。パソコンや電子デバイスの管理サービスや、AIによる画像解析サービスを中心とする企業です。
(前回記事:第16回 メディアドゥは出版業界をドゥ改革するつもり?)
前号(2020年第2集 春号)まとめはこちら!
四季報2020 春号全部読む!第1回~第10回まとめ
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3694 オプティムの概要
オプティムは2000年に、佐賀県で設立された企業です。当初は、インターネットの動画広告サービスの企業でしたが、ほどなくしてソフトウェア開発に事業の軸足がうつり、2011年頃から現在の事業に繋がるマルチデバイス管理の技術を獲得、2014年には東証マザーズ、続いて翌年に東証一部に昇格しています。
同社のモットーは「インターネットを空気のように」で、インターネットというものを特段の技術やリテラシーを必要をしなくても使えるようにしたいという思いが込められています。
事業構成としては、ライセンス販売・保守サポートサービス事業のみなのですが、その中でもデジタルデバイスを一括で管理できる「Optimal biz」などのIoTプラットフォームサービスが中心となっています。
競合となる企業としては、テクマトリックス、テラスカイなどがあります。各社それぞれやってることは若干違うので、厳密な同業、競合とは言えないかもしれません。
オプティムの業績は?
それでは、オプティムのここ数年の業績と、今期の予想を見てみましょう。
直近期’20年3月期の決算短信はこちら、補足資料はこちら。売上高は20%以上成長し続けていますが、営業利益率が低落傾向です。ただこれは、技術開発に約20億円という多額の投資を行った結果であり、今期(21.3月期)にはV字回復となる予想(オプティム側が開示している数字は、新型コロナの影響が読めないことから幅を持たせたものになっています)です。
ただ、この今期の業績が予想通りいくかどうかは決算の実績数字次第。来週8/14に今期第1四半期の決算が発表されますので、その数字を見て、投資可否を決めるのがいいかもしれません。
オプティムの株価は?
オプティムの株価推移です。大部分の企業と同じく、3月のコロナショックを経て、力強い回復が進んでいます。ただ、6月以降は上がったり下がったりでマチマチ。今後本格的な上昇軌道を描けるかどうか・・・?
PERはなんと253倍!とんでもない数字になっています。割高なんていうもんじゃないですね。期待先行だけではなく、実態も伴った株価の上昇になってくれれば強いのですが。
総評:今後の採算改善に期待だが、ちょっと割高すぎる⇒NG
オプティムは売上高の成長は20%以上と非常に高いですが、営業利益はほとんど研究開発にあてられています。売上高67億円に対して、研究開発費用が20億程度と、売上高の1/4~1/3を占めています。
ここまで研究に前向きな企業も珍しいですな。
ただ、PERが既に200倍を超えて過熱感が出ており、ここからの値上がりは大して見込めない気がします。一応テレワークというか国策関連銘柄であり、新型コロナウイルスが終息するまでは好調であってほしいですが。
次回は、3697 SHIFTを見ていきたいと思います。ソフトウェアのテスト、品質管理の企業です。
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