ワクチン6000万人分!?あと杏離婚!?まあそりゃね。……そんな四季報夏号全部読む!前回記事では、3064 MonotaROについてチェックしてみました。成長率、利益率の高さもさることながら、競合企業がこれといって見当たらないところが強いですね。これからも注目したいと思います。
さて、今回注目する企業は3141 ウエルシアホールディングスです。ドラッグストアの国内最大手の一角です。このコロナ禍でドラッグストアは却って存在感を増しましたからね、注目度は高いです。それでは見ていきましょう。
(前回記事:第13回 資材ECサイトのMonotaROの株価は明日の決算しざい(次第)?)
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3141 ウエルシアホールディングスの概要
ウエルシアホールディングスは数多くのM&Aを繰り返して成立(それこそ大本の薬局は昭和30年代からある)していますが、イオングループと資本提携し、現在の形になったのは2008年からです。
同社が統括するドラッグストアは2020年8月時点で1831店舗、グループとしての売上高は約7800億円と、店舗数売上高ともツルハHDについて第2位となっています。
類似企業としては、今出てきたツルハHD、マツキヨHD、コスモス薬品、スギHD・・・ドラッグストア業界は本当に群雄割拠。そろそろ業界再編の動きが出るんじゃないかと思うんですが。
ウエルシアホールディングスの業績は?
それでは、ウエルシアホールディングスのここ数年の業績と、今期の予想を見てみましょう。
もう売上高が1兆円の大台にのせるのも時間の問題です。ウエルシアHDはこれだけの大規模な企業にも関わらず、7~8%の成長率を維持できています。仮に今期’21.2月期の業績がこの予想通りとなれば、ライバルであるツルハを抜いて業界トップの座に躍り出ることになります。
ただ、営業利益率がとても低いです。他社と比較すると、ツルハが5.3%(‘20.5月期)、コスモス薬局が4.2%(同)、マツキヨHDが6.3%(‘20.3月期)、スギ薬局が5.4%(’20.2月期)と、業界の中から見ても低くなってしまっています。
ウエルシアホールディングスの株価は?
ウエルシアHDの株価推移です。コロナショックの影響もある程度に抑え、それ以降はゆっくりとですが確実に上昇しています。なお、7/17に1:2の株式分割(基準日は8月末)の発表がありました。
株式分割自体は本来株価には中立的で、何らの好影響ももたらさないのですが、アメリカと違い日本は100株単位でしか購入することができないので、最低投資額が手ごろになる(それでも50万円近い)株式分割は、さらなる資金流入を予感させ、株価上昇の要因になることが多いです。
PERは44.1倍、ライバルのツルハはまだ20倍代なので、こちらがやや過熱気味という事になるでしょうか。配当利回りも1%を切っていて、割高感が強まってきました。
総評:成長率は高いがもうこれ以上の上がり目は厳しい⇒NG
ウエルシアホールディングスは、前回のMonotaROとは真逆に、同業他社との厳しい競争にさらされつつも、業界トップクラスの企業として勝ち続けてきた企業です。おそらく今季終了時点では業界トップに立つことになるでしょう。
それだけに強さは感じますが、株価的にも割高なうえに、営業利益率は薄利多売のせいか大手の中でも最低クラス。どれだけ成長しても利益が出せないようでは、これからの株価上昇は苦しいかもしれません。
というわけで、評価としては見送りとしたいと思います。うーん……。
次回は、3565 アセンテックを見ていきます。2017年4月上昇の若い企業です。
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