いつもよりちょっと遅い発売の夏号は今日発売!というわけで、今後も始めていきまーす。
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前号(2019年春号)まとめ
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裏日本インデックス 四季報2019春号版
それではいつものように肩慣らしで業界展望と巻頭特集を見ていくことにしましょう。
四季報2019夏号 業界展望
四季報編集部が予想した各企業の本業のもうけを示す営業利益は、全産業で前号比▼5.5%と前号に引き続いて減少となり、米中間の貿易戦争がもろに日本企業に影響をもたらしていることが分かります。
減少はほぼ全業種でみられましたが、特に下落幅が大きかったのは医薬品業界で、なんと前号比▼35.9%と営業利益の1/3が吹き飛ぶ予想になっています。以下海運業が▼20.6%、金属製品が▼15.0%、鉄鋼が▼14.3%と続いています。その他、電気機器、輸送用機器、精密機器などものづくり業界はいずれも10%弱の減益と厳しい状況です。
四季報特集!TSR(株主総利回り)ランキング!・・・でTSRって何?
四季報今号の特集は、2019年3月期以降の有価証券報告書から新たに記載されることになった株主総利回り(Total Shareholder Return=TSR)に注目しています。
このTSRは、株価変動による値上がり益と、配当総額の合計を投資額で割ることで算出されます。よく投資信託だと、「トータルリターン」として、分配金と値上がり利益が合計され、比較することができますが、株ではなかなかこれを比較することができなかったので、このTSRを活用することで、値上がりと配当を合わせた「真のリターン」がわかることになります。
四季報編集部によれば、5月末時点での東証1部の5年間平均TSRは9.63%(株価騰落率7.64%、配当利回り2.59%)となっています。
TSR(株主総利回り)は、今後注目の指標となるかもしれません。
過去5年TSRランキング①直近営業利益100億円以上の企業
四季報編集部が算出した過去5年のTSRをランキング化したところ、直近営業利益100億円以上の企業の中でトップに輝いたのはなんと8111 ゴールドウィン 5年間の平均TSRは年率66.02%と驚異的な数字です。これは、100万円を5年前に投資すると約12.6倍になっていることになり、非常に素晴らしいリターンです。
過去5年間のチャートを張り付けてみましたが、確かにほれぼれするような右肩上がりです。それでいてPERはまだ30倍程度と極端に割高ではなく、まだ上げようと思えばあげられるチャートではあります。
直近では5/10の高値18,270円から大きく下げてしまっていますが、まだまだ調整の範囲内で、これ以上下げないことを確認してから買ってみてもよいかもしれません。
続く第2位は3038 神戸物産。このところは傘下の業務スーパーで販売しているタピオカの売れ行きが好調で、「タピオカ銘柄」としてもごく一部で名を馳せています(笑)。5年間の平均TSRは60.71%とこちらも驚異的。
第3位は7747 朝日インテック。こちらも前から注目している企業です。心臓カテーテルで非常に強く、5年間平均TSRは47.66%です。5年間で約5倍に値上がりしており、非常に力強い企業です。
過去5年TSRランキング②直近営業利益10~100億円未満の企業
続いて、やや小さい規模の企業で算出したTSRランキングです。
第1位 4369 トリケミカル研究所・・・5年平均TSR 年率85.14%。半導体向け薬品の研究所。5年間で株価は20倍と大変夢のある結果に。ただし、直近高値から2000円近く下落しており、これ以上の上積みは厳しそう。
第2位 3186 ネクステージ・・・5年平均TSR 年率72.85%。中古車販売の大手。2016年~2018前半までの値動きは非常に力強い。業績の成長も伴っており、一過性の上げではないことが分かります。ただ2018年以降は不安定な値動きに移行してしまっており、かつてのような激しい上昇はもう期待できないでしょう。
第3位 2930 北の達人コーポレーション・・・5年平均TSR 年率70.75%。美容食品や化粧品の会社。カイテキオリゴシリーズで有名。ここはまさに2017年の一発屋と言ってもよく、まるでビットコインのようなチャート(笑)。
まとめ
TSRというのは、正直初めて聞く指標でした。実際TSRで検索しても全然違うものが出てくるあたり、まだ人口に膾炙していないんだなと思います。
今後この考え方が主流になってくれば、もっと簡単に投資すべき株が見つけられるのでは?と思います。
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