つい数日前にようやく完結したはずの四季報全部読む!ですが、新しい四季報が12/14に発売されましたので、チェックしていくことにします。
今号は前号のように目についた企業を片っ端から羅列するのではなく、前号である程度ピックアップした企業を中心に、前号との変化ぶりを確認してまいりたいと思っています。
今回は具体的な企業のチェックに入る前に、冒頭の「業界展望」から、各業界の方向感を掴みたいと思います。
鉄鋼・非鉄金属は厳しい状況に
営業利益の今期予想を見ると、前号(9月発売の秋号)と比べて減少している業種が多く見られます。
中でも、鉄鋼業は-14.5%も予想利益額が下がっており、かなり厳しい状況であることがうかがえます。中でも5406 神戸製鋼所は、生産コストの上昇に加え、生産トラブルも加わり、泣きっ面に蜂といった状況。
そのほか、非鉄金属が-10.5%、証券業が-10.1%、金属製品と電気・ガス業が-8.9%、建設業-7.5%、ガラス・土石製品-5.6%、ゴム製品-5.5%と、厳しい業界が多いように思われます。
好調の業界も
一方で、好調の業界もあります。
卸売業は秋号発売時点に比べて10.3%も予想利益が増加しています。卸売業は企業数があまりに多いので、代表的な企業を上げるのは難しいですが、例えば 8031 三井物産 は前号に比べて増額になっています。
また、情報・通信業も+4.1%と好調です。
また、鉄鋼業減益の原因は「コスト高」ですが、これは裏を返せば、鉄鋼業の仕入れ先が好調であるということ。
たとえば、製鐵に使う電炉に欠かせない黒鉛電極を売っている 5301 東海カーボンや、 5302 日本カーボンなどの企業はいずれも好調です。これらの企業が売価を値上げ(彼らから見れば「是正」)していった結果、こうした企業が利益を上げ、一方で製鐵業の企業が減益となっていくわけですね。
まとめ
個別の企業を見ていく前に、各業界の雰囲気を見ていきました。厳しい業界、儲かってる業界いろいろありますね。
それでは次回から・・・といいたいところですが、次回は巻頭特集の「リーマンショックから10年、これが利益10倍企業だ!」についてみていきたいと思います。
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