四季報全部読む!番外編その4 銀行・証券・保険株の用語を調べてみた

スポンサードリンク
アーカイブ

会社四季報2018秋全部読む!も開始から2カ月、回数にして40回を数えるまでになりました。

2カ月かけてようやく証券コードでいえば7000番台、銀行、証券などの金融株が出てくるあたりまで進みましたが、どうやら金融株はそれまでの機械や工業などの株とは全然見方が違うようです。

例えば、不良債権や、総資金利ザヤ、そして逆ザヤ・・・。

何となく聞いたことがある言葉たちですが、じゃあこの数字がどれだけならいいのかさっぱりわかりません。

というわけで、銀行証券保険の各業態について、特有の用語について四季報内の定義を引用しつつ、解説していきます。

 

銀行編

りそなやみずほなどの銀行株は、通常の企業とは業績や財務を表す用語やその定義が大きく異なります。

自己資本比率

通常、自己資本比率とは、総資産に対する自己資本(資本金、利益剰余金など)の割合を指します。

銀行でもそれは同様ですが、銀行株の自己資本比率は非常に低いです。10%すらまれで、ほとんどの銀行が一桁台。普通の企業なら「疑義注記」レベルです。

これは顧客の預金を「他人の資本」とカウントするためで、預金が多くなるに従い、自己資本比率が下がります。つまり、もし自己比率が高い銀行があれば、それは「不人気な銀行」ということになります。

一方で、あまりに低いと倒産の危険性が高まります。そこで、国際基準により、8%以上の自己資本比率を目指しましょう、ということになっています。

 

資金量

資金量は銀行が本来調達できる(預金とは別に)金額のことで、預金と譲渡性預金の合計。要するに銀行自身の手持ちのカネ。

都銀大手でいうと、三菱UFJ214.1兆円みずほ銀行137.8兆円
地銀大手でいうと、横浜銀行・東日本銀行の所属するコンコルディアFG15兆円

地銀トップといえど、都市銀行の足元にも及ばないことが分かります。

 

不良債権

かつてニュースでも大いに話題になった不良債権。この言葉にもちゃんと定義があります。四季報の定義を引用すると

金融再生法基準開示債権の額で、破綻更生等の債権、危険債権(破綻懸念先)、要管理債権(3カ月以上延滞および貸出条件緩和)の合計。

うーん・・・。要するに焦げ付いちゃってる債権ということで(じゃあ今までの説明はなんやってん)。

都銀大手でいうと、三菱UFJ8317億円みずほ銀行5347億円
地銀大手でいうと、横浜銀行・東日本銀行の所属するコンコルディアFG1850億円

資金量に比べて都銀と地銀の差が小さくなっています。やはり地銀の方が焦げ付きやすいということか。

 

総資金利ザヤ

これだけあまり耳なじみがないですが、資金を貸し出したり、資金を運用したことによる運用利回りから、コスト(預金や債券の支払いなど)を差し引いた後の利回りのことです。

ここについては、未回答だったり不明だったりする銀行が多く基準がよくわからないのですが、スルガ銀行っていう地方銀行が1.49%と結構高かったんですよね。ほかの銀行は0.何%とか、マイナスのところも多い中で、ここだけがすごく高かったんですよね~。不思議ですね~(すっとぼけ)。

 

 

証券編

証券会社も他の企業とは異なる経営指標が用いられています。

預かり資産

これは文字通り、顧客から預かった株や、債券、投資信託などの合計額のことですね。

国内最大手の野村118兆円、ネット証券大手の松井証券2.5兆円ですから、インターネット証券と、従来の証券会社との差というのは非常に大きな差があることが分かります。

 

自己資本規制比率

証券会社の健全性を示す指標のこと。日本取引所のサイトで詳しく解説されているので、その辺は譲りますが、140%を切ると金融庁への報告が義務付けられ、100%を切ると営業停止が命じられることになっています。

国内最大手の野村237.5%で、ネット証券大手の松井証券704.1%

こちらは松井証券が勝りました。やはりリアル店舗網などを抱えていないネット専業証券の方が、資金的には余裕があるのでしょうか。

 

 

損保・生保編

事業費率

損保会社の経営効率を示す指標で、営業などによるコストが正味の保険料に占める割合のことで、低ければ低いほど、効率が良いといえます。

東京海上HLDGなどの大手は軒並み事業費率が30%台にまとまっています。

 

逆ザヤ額

生命保険の企業がバブル崩壊後逆ザヤで苦しんだというのは有名です。この逆ザヤとは、保険会社が契約者に約束していた利息額を、実際の収益が下回っている場合の差額のこと。

国内大手で見ると、第一生命HLDGかんぽ生命も逆ザヤなし。

このところの株式市場の好調ですっかり逆ザヤも解消できたようです。まあこれから国内株式市場が冷え込んでいけば、どうなるかは不透明ですが・・・。

 

支払い余力比率(ソルベンシーマージン比率)

通常予測できる範囲を超えるリスク(災害、株の暴落、経営悪化)に対する保険金の支払い余力のこと。一般に200%を超えていると、十分な支払い余力があるとされます。(200%を超えていても破綻した例はあるそうです)

国内生保大手だと、第一生命HLDG840.9%かんぽ生命1137.2%
損保大手だと、東京海上HLDG845.9%となっています。

かんぽ生命が圧倒的・・・。やはり国内最大は伊達ではありません。

 

終わりに

ここまで、銀行、証券、保険のいわゆる金融株特有の用語について調べました。これで金融株の分析もバッチリ・・・?

コメント

タイトルとURLをコピーしました